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第14回  エセル 編   インタビュー実施日2003/1/17


 ゲームを中心に素晴らしい作品を創っておられる、谷さんからご紹介をいただきました。「エセル」という、少し恥ずかしくて、分かりにくいハンドルネームを使っていますが、いい歳をした男性です。

 こういう文章を書くのは初めてで少し緊張しています。そのうえ、タイトルが「匠たちのセル道」ということで、これまた大変恥ずかしいのですが、このような楽しい企画とエクセルファンの集いということで、喜んで参加させていただきました。

 以下は、少しトンチンカンで的外れなインタビューですが、VBAで何かを創るという楽しさを感じていただければ、とてもうれしいです。

1 初めてエクセルに触れた時期は?

 エクセルのバージョンが4.0の頃から触り始め、その次のエクセル95ぐらいから本格的に使い始めました。それ以前は、ロータス123という表計算ソフトを使い、マクロで「{right}」「{left}」などとタイプしてマウスカーソルを動かしては遊んでいました。前頁で谷さんは、MSDOSでマルチプランを使っていらっしゃったようですが、わたしはNECのN5200というパソコンで、ピートスというOSで使ったような記憶があります。

 表計算ソフトは、契約管理、経理の業務にとって、強力なツールで必要不可欠なものでした。この頃、NECの「9801VM21」を購入しています。まだ現役です(笑)。

2 初めてVBAコードを書いた時期は?

 ロータス123や一太郎でマクロを使っていたので、すぐに興味を持ち、定型業務を次々とマクロ化していきました。もちろん簡単なものばかりですが。
 やがてエクセル95を使い始めたのですが、これはすごいソフトでした。このソフトで殆どの仕事ができると思ったほどです。

 これより以前85,6年のことでしょうか、出勤途中、長蛇の行列があったので、その後ろに並んで前の人に尋ねました。
 「何かの売り出しですか」
 「ドラクエWだよ」

 何か知らないけど、面白そうだからと購入しました。が、肝心のファミコンを持っていません。すぐに購入しプレイしたのですが、これには感動しました。今でもハッキリと覚えています。音楽、グラフィック、ストーリ何もかもが一流でした。当時のわたしにとって、それは芸術、総合芸術そのものでした。いや今も、わたしにとって心に残る名作です。敵キャラを追い詰め、そろそろゲームも終わりかなと思っていると、「カンタダ」が塔の最屋上から身を投げ逃げ出した場面。「カンタダ」を倒し、地下に降りていくと、そこに一艘の大きな船があって大きな地割れとともに...

 話をエクセルに戻します。やがてエクセル97が発売され、早速ワークシートを利用したロールプレイングゲーム(RPG)「エセルとウィン」(エクセル95で)を作成しました。それがVBAゲームとの付き合いの始まりです。

 ゲームではアクションゲームも好きですが、わたしの原点はRPGだと思います。ドラクエの次に「ファイナルファンタジー」という作品が発表され、「ドラクエ」とは違った、グラフィックで見せるというコンセプトにも心が動かされました。

3 VBAコードを書く時間を無理やり1日平均にすると?

 プログラミングは土曜日が中心ですし、せっかちなのか一気に創ろうとすることから、気が付くと雀がチュンチュンと、徹夜の場合もあります。それでも、たいていは半分ぐらいまで創ると安心(?)するのか、ペースはダウンします。

 最近は新作を作っていないのですが、ここのサイトを見せていただき、そのすごさに好奇心と制作意欲が起こってきています...

4 思い入れのある作品とその理由は?

 わたしにも、乱作かつ駄作の時代がありまして、その頃の作品はNiftyのフォーラムにアップしています。現在、Niftyの会員ではないのでアクセスできませんが、それらの一つひとつにそれなりの思い入れもあります。でも、一番思い入れのある作品は、実は「フライング・ホースマン」なのです。亡き父を思い出しながら、むかし読んだストーリを基にした、まったくユーモアが無い、暗い作品です。エクセルファンクラブれいぞーさんのサイトにアップしていますが、最低の人気です(泣)。作者の思い入れだけが先行したのですね。

5 これからVBAを覚えようとういう方々へのアドバイスを!


 VBAだけではなく、一般的に言えることですが、慣れるということが一番大事だと思っています。

 Windowsの基本コンセプトは、「セレクト&ドゥ」、選択して命令実行、あるいはアプリケーションの操作方法の統一などです。このような知識を覚えるよりも、体感的に選択してマウスの左クリックをすると、いろんな命令を実行することができるんだ。あるいは、「CTRL」キーと、「X」キー、「C」キー、「V」キーを押すと、どんなアプリケーションででも同じように、削除、コピー、ペーストができるんだなぁ、ということを感じ取る方が大事だと考えています。

 あっと、これからVBAを覚えようとういう方々へのアドバイスがお題でしたね(汗)。
 VBAに慣れるには、まずエディタ(VBE)に馴染まなければなりません。この操作方法になかなか馴染めない方もいるでしょう。そんなときは、「俺は、優秀で個性的なのだ、故に、この不合理な操作を強制するソフトはおかしいのだ」と思っておきましょう。

 確かにまだ、人間的かつ直感的に操作できる、完成されたソフトはありません。やがてコンピュータは、タイプキーを使わず音声や手書きで入力したり、日本語で命令したりできるようになるのでしょう。でも現実は、ソフト設計者の考えに従わざるを得ないのです。今はとにかく、我慢して使いましょう。そのうちに使い勝手がわかってくるものです。
 VBEで作業しているとき、「F1」キーを押すと、その単語の解説が出てくることをつい最近まで知らなかった自分です(笑)。

 もう一つは、作成したVBAモジュール(部品)は、資産のように大事にすることです。これは、この先創りたいものが出てきたときの部品になるものです。コピーしてペーストするだけで、思いのものを作製できる場合もあります。乱作・駄作どんなものでもいいから、まず創ること、これが二番目に大事なことかなぁ。

 わたしが何かを創りたいと思うときは、すごい作品を見たとき、それと今まで知らなかった、関数(例えば、Win32API)、コードなどが理解できたときです。VBAの標準機能でできないことは「Win32API」を使うのですが、これを使うと、画面にテキスト文や画像を表示させたり、Windowsで他の言語がしている、同様な様ざまなことができるようになります。この辺になると、少しマニアックな世界かもしれませんね。

6 初心者時代の作品を「匠達のセル道」でアップさせていただけませんか?

 HDが二度ほどクラッシュして古いものは消えています。
 1998年12月12日の日付の「ecell&win08.xls」というファイルがありました。確か、エクセル95で作製して、97に移し変えたものです。画面は、640×480ですので、大きい画面で見ると、手の内が全てわかってしまうという、ものすごいマクロです(笑)。

 上記のサイトは、Q2で接続していた頃の残滓で、パスワードを忘れ消すに消せない恥さらしのページです。今見てみると、あの頃から少しもテクニックが向上していないことに気づきました(笑)。

7 VBA作成時こころがけていること、宣伝、直リン、何でも結構、最後に一言!

 エクセルでVBAを使い始めた頃、生意気にも世界有数のエクセル使いになろうと思っていたときがあります。「エクセル」「Excel」「VBA」で検索し、世界中の関連サイトを巡りました。素晴らしさに度肝が抜かれる思いをしたり、憧れの作品にも出会いました。ネット友もできました。そのうえ、このようなエクセルの専門サイトで紹介されるなど、エクセルと出会いVBAを使っていて、本当によかったと思ったりしています。

 ここまでお読みいただいた諸兄に、最後に伝えたいことは、エクセルVBAをマスターしておくといろいろと応用が効くということです。わたしは最近、フラッシュというソフトに興味を持っているのですが、これのプログラム言語である「アクションスクリプト」はVBAによく似ています。VBAを知っていると、応用が利くのです。エクセルは、きっと何十年か後にも歴史に残るソフトの一つだと思います。エクセルVBAをやってみて損はありません。何といっても、エクセルに無料で付いているのですから。

 VBAは、マクロの作製言語ではなく、立派なプログラム作製言語です。もうVBAはビジュアルベーシック(VB)のサブセット(縮小版)などとは誰にも言わせないぞ。このサイトの素晴らしい作品を見てそう思いました。


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