『ブギーポップシリーズ〜僕は自動的なんだよ』


(上遠野 浩平・著   メディアワークス/電撃文庫・刊 
  『ブギーポップは笑わない』『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1,2』
  『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」』『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』
  『夜明けのブギーポップ』『ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師』
  『ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕』『ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生』
  『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』
  『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』                以下続刊)
    

  不思議な物語です。
  ストーリーを簡単に説明する事がこれほど難しい小説は初めてかもしれません。
  タイトルにも在る『ブギーポップ』と言う人物自体が、説明するには余りにも曖昧模糊とした
人物像しか持ち得ていないからでしょうか。
  しかし、物語上でブギーポップは様々な場所で登場し、あるいは語られます。
  女子高生にのみ噂されている、『人が最も美しい時に殺しに来る死神』であり、黒いマントを
羽織った男とも女ともつかない人物。
  あくまで噂話の中でしか存在しないはずのブギーポップは実の所『実在』しているのですが、
噂をばらまいて居る少女達のほとんどは、かの人物を見た事が無いのです。
  まあ、幽霊や都市伝説と似た様な存在だと言えるのでしょうか。
  『ここ』での『ブギーポップ』とは、そういう『存在』です。
  そして、そんな『世界』の中で、人々はそれぞれに生き、それぞれの『事件』を抱えています。
  『ブギーポップ』シリーズは、時を同じく、もしくは前後しながら、『彼ら』の『事件』を
  描いているのです。
  時折、『彼ら』は自分が立っていた『事件上の世界』から離れた『場所』で偶然−必然−に他の
『誰か』の『事件上の世界』に居る事が有ります。シリーズを通して読んでいると、ふと『彼ら』
の存在に気付き、慌てて他の巻を読み直す事が多いのは、作者の卓越した物語の描写感覚を表して
いるのかもしれません。
  それ位、このシリーズは奥深く、細やかな伏線が張り巡らされています。
  私が思うに、ブギーポップとは『彼ら』の『事件』の隙間を渡りながら、点と点を結んでいるの
ではないでしょうか。
  何となくでは有りますが、そんな事を考えました。
  最後に、シリーズの中で霧間誠一と言う人物が書いたと言うエッセイ(小説の方ではないだろう
アレは(笑))の一文が幕間に挿入されている事が有ります。
  私はアレが大好きで、何度も読み返してしまうのですが……私ってば『世界の敵』の素質が
  有ったりするんだろうか…。
  いや、このシリーズを好きな人のほとんどは、そうかもしれないですけどね…。
  これは、そういうお話です。



 第一話に引き続き、第七話迄見損ねてしまった為に少々ヘコみ気味だったアニメ版の方ですが、
無事にLDの予約も完了したので一安心でございます(しかし、アニ○イトめ…「何処の店でも一
巻と二巻は次発待ちだと思いますよ〜」だと…?嘘付くなコラ。日本橋行ったら余裕で予約出来た
わい…)
  しかし、サントラは購入出来たものの、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の方は購入
出来ず。
  本当に売っているのだろうかと思う程、何処にも無いのはどういう事なんだろうか…。↑がコレ
の事なら納得するのになあ…はて。
  で、アニメの方と言えば、独特の雰囲気が失われてなくて一安心。
  トライガンやビバップの製作で知られているマッドハウスが手掛けているだけは有り、キャラも
魅力的なままとても生かされていると思います。
  黒田(=スケアクロウ)さんが格好良い。凪も。
  ブギーポップファントムさんは美人です(笑)
  ただ、映画だけはどうなんだろうか。
  凪の髪の毛が短いのが気に入らないのが一つと、エコーズがどうして寺脇康文なのかが大いに
疑問。  エコーズってそないに歳だったのか!?(爆)
  私はてっきり二十〜二十五歳位だとばかり思っていたんですが、ちょっと脱力。

 
   
  はいっ、久し振りに新刊『ハートレス・レッド』が発売されました。
  今回は凪が大活躍ですね(いつも活躍しているとは思うけれど…)
  時間軸が又も前後しているので、色々と思い出しながら読み終わりました。
  今迄にも何度かブギーポップ達が関わって来た『統和機構』の側の人間、あるいは合成人間が次々
と登場し、彼らの考えている事がちらちらと垣間見えますが、結局、『統和機構』が何であるか。
と言う決定的な提示はされませんでした。
  やはり、最後の方にならないとそういう事は分からない(もしくは最後迄分からない)のかなと
思います。
  いつもは何を考えているのか理解に苦しむブギーポップが考えている事、そして凪が『炎の魔女』
と呼ばれる由縁が語られ、彼らの事を又一つ知った様な、しかしそれによってもっと知りたい部分も
出て来ました。
  ロードレーサー(=スポーツ用自転車)に乗ってる凪に密かに萌えでした(笑)
  嗚呼風間ファン…<締めがソレかい



 更新していない間に新刊発売されていました…。
 『ホーリィ&ゴースト』です。
 今回は結構ブギーポップが動き回っていた様に思いました。
 ちょこちょこと関わって来てさりげなく活躍しています。
 登場したキャラも新しい面々が多く、包帯ぐるぐる巻きのマンガチックなスタイルのイタチ、
スリム・シェイプは凪と関わりが有ったらしいので、もしかしたら又別の話で登場するかもしれませ
んね。
 それと、電撃hpで連載している話ともクロスして来るらしい事が判明しました(と言うか、まぁ
ブギーポップの流れに乗っている話なので当然ですか)本編で遭遇するのはいつの事やら。