[last updated:2007/08/15] [since:2005/06/18]
グレイル傭兵団の跡取り、アイクの物語。大陸テリウスを舞台に物語が展開する。 「暁の女神」は「蒼炎の軌跡」から三年後の物語である。
以下、「蒼炎の軌跡」について。
この文書を書いている時点で三度もやっているので、 私がこのゲームに愛着があるのは当然のこととし、 ここでは敢えて苦言を述べてみたい。
キャラクタのロストについて。死なないキャラクタがいることでシナリオの厚みが 減っていると思われる。シナリオの深みについては敢えて語ることはしないが、 深くなったとしても幅が狭くなったのはいかがなものか。
イベント経験値について。イベント経験値の着想自体は歓迎できる。 優れた戦略を採った者により多くを与えるのは、ゲームの御褒美として妥当であろう。 だが、イベント経験値では武器レベルの不足を補うことができない。 例え武器を錬成できても、である。もう少し工夫が欲しいところである。
キャラクタについて。支援会話の内容が薄く、プロフィールもなく、また、 戦績で後のことが語られないため、キャラクタがあまり立っていないような気がする。 支援会話とプロフィールについては、初作「暗黒竜と光の剣」では無かったわけだから それほど気にするところではないかもしれない。しかし、 「その後」はずっとあったので、少しさみしい気がする。
戦闘アクションについて。3Dになったことで、 非現実的なアクションが際立ってしまっている。 ファイアーエムブレムの戦闘ルールから言って仕方が無い部分もあるが、 もうちょっと作り様を考えた方がよいのではないだろうか。 敵が走って近付いてきたら敵が剣を振るう前に得物を振るうだろうし、 重い武器を振る速さが軽い武器を振る速さに比べて遅いとは限らない。 極端に遅いと躱されるのが落ちである。
さて、厳しい言を並べてみたが、変化の折には批判もつきものである。 「聖戦の系譜」でもいろいろな批判はあった。 だが、GBAの三作品を経て受け継がれている武器の三すくみは 「聖戦の系譜」が初出である。「新しい試みが後に遺る物を生む」と考えると、 「蒼炎の軌跡」は何を遺すのであろうか。次作を楽しみに待つとしよう。
以下、「暁の女神」について。
「蒼炎の軌跡」の世界とシステムを引継ぎつつも、細かいシステムの追加や バランスの調整によって、やや面白味が増している。
戦闘アクションについては、「蒼炎の軌跡」に比べ、やや非現実的な方に 傾けているように見える。こう書くと悪くなっているように聞こえるかも しれないが、現実味を薄めることで、逆に不自然さは弱まっている。
シナリオについては、しばしば主役が交替することで判りづらくなっている。 主役は一貫していた方が良かったように思う。 特に、敵味方が入れ替わるのはシリーズとして初めてであるから、 そう感じるのかもしれない。
ともあれ「蒼炎の勇者」はテリウスを去った。次の物語の舞台は何処か。 楽しみである。