クイズコロシアム2001レポート


2001年1月7日に行われたクイズコロシアム2001のレポート。

オープニング
ペーパー  
昼休み
ペーパー結果発表
1回戦
準々決勝
準決勝
決勝


・オープニング
少しだけ待たされた後に、開演を告げるブザー。
照明が落とされ、音楽が流れる。BGMは、シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」。「コロシアム2001」と「2001年宇宙の旅」をかけているというわけだ。(後で気付いたけど) お約束どおりの演出・・・かと思ったら、前口上が、なんと英語(!)。しかもおそらくネイティブの人によるもので、「時代は20世紀から21世紀に流れ、クイズコロシアムが開演する」というようなことを英語で言っていた。(ように聞こえた。) 「英語でオープニング」というのはコンサート等では一般的ともいえるが、普通のオープン大会では実現不可能な演出であるといえよう。
また、ステージ上にはパルテノン神殿風の(?)巨大な円柱のセットが4本設置されていた。この壮大なステージには観客全体が驚いていた。まさに非日常の空間。このステージでどれだけ素晴らしい戦いが繰り広げられるのかと期待は高まる。
そして、音楽の終了とともに「クイズコロシアム2001、開幕!」の声が。今回の司会は「こぶしのぶゆき」さんという方だった。おそらくプロの方。さすがに声はよくとおる。素人の司会ではこうはいかないだろう。
英語、巨大な円柱のセット、プロの司会者。今までの大会では不可能とも思えた演出が実現していることに、普通の大会とは別次元のスケール大きさを予感させられる形となった。
・ペーパー
ペーパーの通過枠は40人。8人がシードとなり、残りの32人が2次予選に進む。
今回のペーパーは四択40問(1問1点)と筆記30問(1問2点)の100点満点。冊子になった問題集に直接書き込む形式になっていて、こういう細かい点でも「今までと違う大会」という雰囲気が伝わってくる。
問題は事前の触れ込みのとおり常識的な問題。良問が揃っていた思う。僕はボーダーを大きく下回っていることを結果を聞く前に確信したが、こういう問題で点がとれないというのは少なからずショックであった。問題と解答は公式ページに載っているので、参加してない人はぜひ解いてみて欲しい。
ペーパーの途中に、司会者が「お〜と、テキサスの暴れ馬の登場だ〜」とか叫んだりしながらも20分が終了し、昼休みへ。終了直後の参加者の表情は割と厳しかったと思う。が、昼休み後にとんでもなく厳しい結果が待っているということは予想もしなかった。
・昼休み
従来どおり、休憩時間には問題集の販売が行われる。大盛況。にぎわいで収集がつかないくらいになっていた。ここまで凄いのは初めて見た。
マンオブとRyu杯で売り切れた問題集も結構あったみたいなのは残念だったが、売り切れを覚悟していたイージオスカップの問題集をゲットできたのでよしとしよう。「PRIDEー1」と「DーOPEN」も買えたし。「クイズワールド」の新しいのも買えたし。
そして、昨年知り合いになった方たちに新年の挨拶をしてまわる、つもりが向こうの方から来てくれてばかりだった。大感謝。昨年は色々とクイズ関係者の知り合いが増えて実りの多い年となった。今年も頑張りたい。
コロシアムの会場がショッパーズプラザ内だったので、食事は便利だった。
・ペーパー結果発表
昼休みも終わり、結果発表。僕はとりこぼしも多かったし、40名という人数を考えると絶対に無理だというのは確信していたのだが、それでも問題が問題だけに「あわよくば」という気持ちは捨てきれなかった。(後から考えればおくがましい話なのだが) こういう、誰が勝ち抜けるのか分からないという混沌とした雰囲気は新鮮に感じる。
まずはシードの発表。いったいペーパー1位は誰なのか。会場全体が注目する中、音楽とともに発表される。
「ペーパークイズ予選通過第1位は・・・東京都からおこしの・・・・・・石野まゆみさん!!」
出場者の中で最も知名度が高いプレイヤーのひとりが1位をとったことで、会場内に歓声が響く。優勝者決定の瞬間よりも多くの拍手をあびていたかもかもしれない。司会者のインタビューに無難に答え、カメラ目線でステージを去ってい姿に(個人的には)さすがやなぁと感心した。
また、シードの8人が全員社会人というのが印象的であった。
・5○2×
2次予選では9位〜40位の32名が8組に分かれて5○2×の早押しクイズを行う。各組ひとり勝ち抜け。
1組目は舛舘さん、石川さん、橋本さん、大森さんの4人。いきなり東西の強豪プレイヤーが揃い踏みする格好となり、会場が盛り上がる。しかし、、1問目を大森さんが、2問目も舛舘さんが誤答し、いきなり荒れた展開となる。独特の問題傾向にとまどったのだろうか。3問目の「優香」を答えた橋本さんが大会初正解者となった。その後の展開も橋本さんが主導権を握り、1×をつけながらも早々にリーチをかける。このまま勝ち抜けるかと思われたが、石川さんが堅実にポイントを重ね追っかけリーチ。橋本さんは焦りからか次の問題を誤答し、失格となってしまう。結局、その次の問題「神田川」を正解した石川さんが本戦出場となった。
2組目は秋田さん、石貫さん、山本剛さん、中野亨さんという4人。テレビ番組やオープン大会で活躍してきた先の3名の戦いになるかと僕も含めて多くの人が予想したかもしれない。しかし、ここでは中野さんが素晴らしい押しを連発し、わずか12問で勝ち抜けてしまったのである。これは圧巻であった。そして、勢いにのれば誰にでもチャンスがあるという今大会を象徴する組でもあった。
3組目は和田さん、斉藤さん、小倉さん、松本さんの4人。1問目から誤答で始まり、開始6問で小倉さんが失格となるという展開の中、和田さんが光速の押しを見せわずか12問で勝ち抜け。北海道から遠征してきた意気込みが感じられた。
4組目は廣田さん、沢登さん、関さん、船田さんの4人。1問目に口紅のメーカーの問題が出題されるが、スルーになる。化粧品の問題をスルーにしたことで女性プレイヤーの沢登さんに会場から有言無言の圧力がかかっていたのが面白かった。そして、9問目くらいで今度は香水メーカーの問題が出題される。問題が読みきられても誰も押さず再びスルーになりかけるが、責任押しのような形になり沢登さんのランプがつく。ちょっと気の毒だなと一瞬思ったのだが沢登さんは正解を導き出し、会場からの大きな拍手をあびていた。勝負の方は関さんが序盤から順調に正解を重ね、勢いと得点差を保ったまま勝ち抜けた。
5組目は伊藤さん、荻島さん、清水さん、船田さんの4人。清水さんが接戦を制した。清水さんの「チョコエッグ?」が印象的だった。
6組目は加藤さん、小田さん、高山さん、大川さんの4人。1問目大川さん正解の後、2問目を加藤さんが誤答していきなりトビリーチをかける。しかしそれでも加藤さんは快調に正解を続け、追いかける高山さんを突き放す形で勝抜けた。9問目くらいでメイクアップアーティストの問題が出題され、パラレルの振りで「トニー田中」が使われていたことでオールドファンの視線が加藤さんに集まっていた(ように感じた)のが印象的だった。
7組目は樋口さん、沼田さん、君嶋さん、長束さんの4人。沼田さんと長束さんが共に失格となるという荒れた展開の中、樋口さんがスポーツの問題を中心に正解を重ねてリーチをかける。そこから君嶋さんが猛チャージをかけるが、最後は「デビュー作の小説『極道くん漫遊記』/・・・」「中村うさぎ」という即効で樋口さんが勝利を手にした。
そして、いよいよ8組目。あと4人しか予選通過者はいないのである。予選通過枠に滑り込むのは誰なのか。会場内が独特の緊張感で包まれ、最後の4人が発表される。最終組は、大谷さん、村上さん、春日さん、そして原田さんの4人。原田さんはきっちり40位で通過。主催者のプレイヤー名鑑に「きっちり予選を抜ける」と紹介されているだけのことはあります。原田さんは3問目の「かけめぐる青春(ビューティー・ペア)」を正解して会場を盛り上げるものの、6問目を誤答をしてしまう。大谷さんと村上さんも早い段階での誤答で苦しい展開となり、結局春日さんが前評判どおりともいえる強さで勝ち抜けとなった。
・1回戦
・準々決勝
・準決勝「パンンクラチオンクイズ」
準決勝はパンククラチオンクイズ。1ラウンド10問で全5ラウンド行う。3連答でダウンを奪うことができ、ダウン3回で勝利。4連答はKO勝ちとなる。誤答は読みきって対戦相手に解答権が移る。久保杯のボクシングクイズの流れをくんだ形式であるが、今回はどのような戦いとなるのか。
ここでは司会者のこぶしさんが実況となり、解説として大会委員長の久保さんが登場。
準決勝第1試合は横田さんvs上野さん。ともにテレビ時代から活躍し、現在でもオープン大会で活躍してる二人の対戦となった。
まずは赤コーナーの横田さんの入場。鮮やかな照明や音楽とともに横田さんが入場してくる。ボクサーの格好をし、衣装には「大和撫子」との文字が。セコンドに先ほど対戦した石野まゆみさんがついていることで、会場が盛り上がっていた。続いて青コーナーの上野さんの入場。上野さんもやはりボクサーの衣装を身にまとい入場。この格好はかなりハマっていて、やはり会場が盛り上がる。そして、奥さんの沢登さんが上野さんのセコンドにつく。
間違いなく優勝候補の2人の対戦だけに勝負の行方はまったくわからない。白村さんがレフリーに入り、凶器チェックなどのネタがされた後、第1ラウンドのゴングがなる。
まずは1問目。「ポンピドゥーセンター」を正解したのは横田さん。やはり前ラウンドの4連答の勢いが残っているのか。2問目は上野さんの誤答となり、これを横田さんが正解する。3問目は横田さんが誤答となり上野さんはダウンを逃れるが、横田さんの勢いは止まらない。「頂相(ちんぞう)」「都井(とい)岬」「壊血病」と一気に3連答でダウンを奪う。地面にへたりこむ上野さん。何とか起き上がり7、8問目を連答するが、次の問題を横田さんに正解されてダウンを奪うことはできない。結局10問目も横田さんが正解し、第1ラウンドでは横田さんが上野さんを圧倒する形となった。
第2ラウンド。1問目は上野さんが誤答。2問目を横田さんに正解する。なんとか流れを引き戻したい上野さんは3問目を果敢に押していくも誤答となり、これを横田さんが正解したことで2度目のダウンとなる。たまらずセコンドのひとりがタオルを投げ入れようとするが、これを沢登さんが制止する。上野さんは何とか立ち上がりこそしたものの、もう戦う力は残っていなかった。そして、このチャンスを横田さんが逃すわけもない。続く「益田競馬場」を正解し、上野さんをノックアウトした。
準決勝第2試合は樋口さんvs加藤さん。
まずは樋口さんがムエタイ選手の格好をして入場。セコンドは春日さんと松本さんのイージオスのマンオブ準優勝コンビ。「セコンドが強そうだ」の声が観客から聞こえる。しかし続いて空手家の衣装で入場した加藤さんのセコンドは、マンオブを含む数々の大会で優勝してきた長束さんと安藤さん。豪華なセコンドに客席からは歓声があがる。現役とベテランの対決となる第2試合。どのような戦いになるのか。試合前に樋口さんがムエタイ選手らしくワイクルーを踊り、第1ラウンドのゴングがなる。
まずは1問目。「ポインセチア」を正解したのは加藤さん。しかし樋口さんも2問目の「笹原正三」を正解し、序盤はお互いが交互に答えていく展開となる。このまま第1ラウンドが終了するかと思われたが、終盤に加藤さんが一気にラッシュをかける。「おせっかい」「有職故実(ゆうそくこじつ)」「ベスビオ火山」と3連答を決め樋口さんからダウンを奪う。このまま一気にKO勝ちかと思われたが、ここで1ラウンド終了のゴング。樋口さんはゴングに救われる形となる。
第2ラウンド。1問目「シャッフル」を加藤さんが正解、2問目「銭形平次」は樋口さんが正解し、やはりこのラウンドもジャブの打ち合いとなり、序盤は第1ラウンドと同じ展開。しかしこのラウンドでラッシュをかけたのは樋口さんだった。中盤から一気に4連答を決め、加藤さんをノックアウトした。加藤さんは第1ラウンドで勝負が決められなかったことが悔やまれる結果となった。
・決勝「トライアスロンクイズ」
クイズコロシアムもついに決勝戦。200名を超える挑戦者も、横田さんと樋口さんの2人だけとなった。
決勝戦はトライアスロンクイズ。1分間のタイムショック、5問のボードクイズの後、±1の早押しクイズを行い、合計得点が15ポイントに先に到達した方が優勝者となる。
決戦前のインタビュー。まずは横田さんから「どんな形式でも無心で戦いたいと思います」とコメントされる。続いて樋口さんからは「勢いにのって一気に押したい」とコメントされる。
まずはタイムショック。横田さん、樋口さんともに緊張からか得点が伸び悩み、ほとんど差の無い状態のままボードクイズへと移行することになった。
次にボードクイズ。1問目「本田作左衛門が「一筆啓上、火の用心」という手紙を妻に送ったのは何という合戦のとき?」という問題が出題されるが、両者不正解(正解は長篠の戦い)。続く2問目「大正7年の全国中等学校優勝野球大会が中止になるきっかけとなった事件は?」という問題が出題され、横田さんが「米騒動」を正解。続く3問目の「ウィスキーのオールドパーに描かれている人物トマス・パーを描いたバロックの巨匠は?」も横田さんが「ルーベンス」を正解。4問目「YOU WERE MINE」(月9ドラマ「君の瞳を逮捕する」の主題歌でもあった、日本初のシングルCDである久保田利伸の曲)は両者不正解。最後の5問目には「西太后は誰の妃?」という問題が出題され、これも横田さんが「咸豊帝」が単独正解する。樋口さんはボードで正解することができず、横田さんにリードを許す。
そして最後の早押しクイズ。横田さんがリードした状態であるが、まだまだ勝負はわからない。樋口さんは早押し1問目の「バックストリートボーイズ」を正解し、反撃の構えをみせる。横田さんもスルーの後の3問目「アマゾンドットコム」を正解。そして、4問目を樋口さんが正解、5問目を横田さんが正解するという展開になり、得点差はなかなかつまらない。しかし横田さんは誤答をきっかけに指が止まってしまう。そして、ここぞとばかりに樋口さんが猛チャージを見せる。「梅沢由香里」「ファーストリテイリング」「芙蓉」と3連答し、1問誤答の後「デュラム小麦」「モノポリー」と2連答。一気に4点差をつめてついに10−10の同点に追いつく。この勢いのまま正解を重ねるかと思われたが、逆転を急いだのか樋口さんは次の問題を誤答してしまう。そして、ここで横田さんが長い沈黙を破って「越天楽」を正解し、息を吹き返す。優勝へ向けてもう勢いはとまらない。「ヨーヨー・マ」「コンバット」「ナイアガラ」と4連答を決め、そしてその次の問題。
「高村光太郎、石川啄木、北原白秋などがこの雑誌を通して文壇デビューした、1900年4月与謝野鉄幹が主催/」「明星!」
正解音を鳴らされる。優勝者決定を告げる正解音である。優勝者インタビューで横田さんは「今までクイズをやってきてよかった」と語り、目には涙を浮かべていた。樋口さんは「横田さんが強かったということで、満足している」と語り、素晴らしい戦いを繰り広げた2人には暖かい拍手がおくられた。そして、準優勝者の樋口さんに盾が、優勝者の横田さんにクリスタルのトロフィーが贈呈され、コロシアムの舞台も閉幕をむかえることになった。
最後に、大会委員長の久保さんから「これを機会にクイズをメジャーなものにしていきたい」と語られ、こぶしさんから「あえて"サヨウナラ"ではなく"またお会いしましょう"でお別れしたいと思います。またお会いしましょう! ありがとうございました!」というメッセージで締めくくられる・・・かと思ったら、最後の最後におまけとして抽選会が行われることになった。参加者全員の予選ペーパーを使って抽選し、後楽園遊園地の招待券をプレゼントするというものだった。ここでこぶしさんが引き当てた人は、何と石野まゆみさん。ペーパー1位の賞品のような形となり、笑いのもれる中でコロシアムも終了となった。
 

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