第8回日本史王レポート


京都オープンの翌日に開催された第8回日本史王のレポート。(記憶とメモを中心に書いているので、間違いを見つけたら即座に指摘してください。)
参加者は25人。人数は若干少なめだが濃いメンバーが揃い、今回もハイレベルな戦いが予想された。
オープニングは特に行われず、最初にルール説明。千馬さんの味のあるMCが会場を盛り上げた。
1Rは50問のペーパークイズ。
上位4人は2○2×をシードとなった上で、3Rは4ポイントからスタートできる。1問目「半済令」という問題に始まって7割くらいは受験的な日本史の問題で、残りは「太占」「七三一部隊」のようにクイズ的な問題も出題された。ペーパートップは47点で友澤さん。昨年の日本史Ryu杯から1年以上競技日本史から遠ざかっていたということなのだが、圧倒的な実力は健在であることをアピールした。2位は46点差で鈴木亮さん。3位が44点で、4月から早稲田入学が決まっている村永さん。4位が日本史王には初参加の丹治さん。ここまでがシードで、Ryuさんが5位で惜しくもシードを逃した。(というか、むしろ2○2×がやりたかったのかも。)13位上野さん、16位ヨーさん、20位ムレさん、22位井田さんと下位にいくほどクイズ的な人間の名前が増えてくるのも日本史王ならではといったところか。僕は23位、Takaさんは24位と事前の予想通り下位をキープ。
2Rは2○2×。
5位以下の全員を3組に分け、5人勝ち抜けるまで行う。上位3人は1○所持。勝ち抜ければ3Rで2ポイントからスタートできる。ただし、3Rに進めるのは24人なので1人が2Rで敗者となる。2×トビになった人か、トビがいない場合は勝ちぬけられなかった中でペーパー最下位の人が2Rで敗退となるという下位にはスリリングなルール。
1組目。Ryuさん、横山さん、大関くん、吉野さん、松井くん、ムレさん、僕の7人が参加。1問目。イキナリ「真珠夫人」が出題され、Ryuさんが正解して勝ち抜け。その後も皆が順調に正解して行き、ムレさんも差込の「キネマ旬報」とかを普通に正解して勝ち抜け。続いて吉野さんと大関くんも勝ち抜け。僕もクイズ知識で「十返舎一九」を正解して1○をつけていたものの、気がつけば残り枠は1人。かなり焦っていたら、「〜、その命日は「糸瓜忌」/・・・」と普通のクイズのフレーズだったので押したものの何故か「正岡子規」が出てこないで1×。2×失格になると次のラウンドに確実に参加できないので勝ち抜けを諦め、横山くんが「那須与一宗高」で勝ちぬけていくのを呆然と見守った。
2組目。平井さん、真下さん、石丸くん、田川さん、迫田さん、平野さん、Takaさんの7人が参加。開始直後、迫田さんが即効で勝ち抜け勝負強さを見せる。続いて石丸くんも勝ち抜け。Takaさんは1○をつけたものの、「不知火」(横綱)でフルネームが求められて不正解というアンラッキーで1×となり、僕と同じ状態で残りの問題は地蔵。平野さん、田川さんと勝ち抜けて行き、ペーパー6位の平井さんも1×をつけながらもラスト抜けを果たした。
3組目。西田康生さん、城戸さん、上野さん、ヨーさん、前田さん、井田さん、加藤さんの7人が参加。1問目、前田さんがイキナリ「陸奥宗光」を「小村寿太郎」と間違えて1×。康生さんが犬上御田鍬(いぬがみのみたすき)などを正解して1抜け。上野さんが「吾妻鏡」と「目安箱」を正解で2抜け。マンオブペーパー1位の城戸さんも「福沢諭吉」などを正解して3抜け。残る席はあと2つ。ここで前田さんが「石川県の陶芸」のキーワードで反応するも「信楽焼き」と答えてしまい失格。(正解は「輪島塗り」) 2R唯一の敗者がマンオブ準優勝者という大波乱となった。その後、(野口雨情)(『十五夜お月さん』『赤い靴』などの作詞者)をヨーさんが「本居長世」(作曲者)と誤答して2人目の失格者となり、残ってた井田さんと加藤さんが自動的に勝ち抜け。(僕も「本居長世」かと思っちゃいましたけどね。) 僕はペーパー下位だったのでドキドキしながら2○2×を観戦することができた。参加人数による結果的な措置ではあったが、こういう形式もスリリングで楽しいと思った。
3Rは2組に分かれての日本一周すごろくゲーム。各組40問限定で、12人から8人が勝ち抜け。
早押しに正解するとサイコロを振って出た目の数だけ進む。誤答時は出た目の数だけ戻る。ペーパーシードの4人は「4」から、2Rで勝ち抜けた人は「2」から、それ以外は「1」からスタート。1番の「北海道足寄町」(ムネオで話題)から50番の「沖縄県波照間島」まで進むことができれば勝ち抜け。ただし「7→14」「18→25」「31→38」「40→45」、「9→5」「15→11」「29→24」「37→33」のワープポイントが設けられており、それぞれの場所に止まるとワープすることができる。
1組目は鈴木さん、村永さん、丹治さん、横山さん、城戸さん、石丸さん、上野さん、迫田さん、ムレさん、井田さん、加藤さん、真下さんの12人が参加。この中で4人だけが失格なのだが、メンツが濃いので誰が落ちるか分からない。1問目は上野さんの誤答、2問目も迫田さんが考えすぎたのか「安来節」を誤答。やはり多人数なので荒れた展開になるのかと思われたが、鈴木さんは調子よく正解を重ねていく。「藤原公任」「木下尚江」「懐風藻」などを正解して20問目にして「38」に進み、1位通過をほぼ確定する。上野さんも「深草少将」など正解を重ねるが、サイコロが1で「1」→「2」、サイコロが1で「2」→「3」、サイコロが6だけど「3」から「9」に進んで「5」にワープで戻り、サイコロ4で「5」から「9」に進んで「5」にワープで戻り、とあまりにもサイコロの出目が悪すぎて全然進まない。さすがに次の正解で「10」まで進むことができたが、「5」のままだとペーパー順で負けてたので結構危なかったかもしれない。ムレさんが1問だけ「松本順」(海水浴)を正解して勝ち抜けたのとは対照的である。38問目の「逆コース」を村永さんが「レッドパージ」と誤答してしまい、ペーパー3位の実力を発揮できないまま残念ながら3Rでの敗退が決定。そして、「5」がボーダーの状態で最終問題が読まれ、「8」の丹治さんが正解し余裕で勝ち抜けかと思われたが、なんとサイコロで1が出て「9」→「5」にワープで戻ってしまう。ペーパー順で勝ち抜けたものの危うく不条理な敗退を喫するところであった。結局、村永さん、城戸さん、迫田さん、加藤さんがここで敗退。
2組目は友澤さん、Ryuさん、平井さん、西田康生さん、大関くん、吉野さん、田川さん、ヨーさん、松井くん、平野さん、僕、Takaさんの12人が参加。順当に行けば僕とTakaさんが落ちるがどうなるか。開始直後から大方の予想通りRyuさんが快調に飛ばしていく。テンポよく日本を縦断していく中、「履中天皇陵」に本人が止まって会場が爆笑というシーンもあった。友澤さんも正解を重ねていくので他の人は解答権を取るのも難しい状態に。そんな中、西田康生さんは「凌雲集」の正解で「2」→「7」→「14」と一気にワープして勝ち抜けを確定。この組もボーダーが5点。Takaさんは「岡田以蔵」を1問正解しただけで「6」まで進んで勝ち抜け。平井さんは1度は「1」まで戻ったものの終盤に正解してなんとかボーダーの「5」に乗せて勝ち抜け。吉野さんも誤答などで苦しんだが最終問題を正解して勝ち抜け。一方でヨーさんも正解をするもののサイコロに恵まれずにここで敗退となり「PRIDE-3に向けて不安材料ができた」と残念そうにしていた。僕も「田原良純」を指で押し勝って正解したもののボーダーの「5」に乗せるのがやっとで最後に追いつかれてペーパー順で敗退。これで日本史王は3大会連続でボーダー上のペーパー判定で敗れる結果となった。結局、大関くん、ヨーさん、松井くん、僕の4人が敗退。
4Rは20問のボードクイズ。16人から8人勝ち抜け。
最初の10問は易しめの問題で1問正解5点。後半は前半のポイントを持ってスタートするベッドクイズ。問題が出題される前に1点〜5点をベッドし、正解すれば賭け点×不正解者数が得点に加算。不正解ならベッドした点が没収される。後半は正解が満足に期待できないだけに、いかに前半での取りこぼしを少なくするかが勝負の分かれ目になると予想される。
1問目「ABCD包囲網のDはどこの国?」という問題が出題され、さすがに「オランダ」は全員正解かと思われたが何故かムレさんが誤答。2問目は「漢字四文字の元号は、天平感宝、天平勝宝、天平宝字、天平神護と何?」という問題。今度こそ「神護景雲」を全員正解かと思われたが、今度は真下さんとTakaさんが不正解。(真下さんは書き間違いだったみたいだけどね。) 3問目「菅野スガ」(大逆事件で処刑された唯一の女性)は4人不正解。ここまではクイズ的な基本問題であったが、4問目「三善康信」は8人正解、5問目の「藤原武智麻呂」はペーパー下位6人が不正解という日本史力で正誤が分かれる結果に。6問目「月代(さかやき)」は13人正解。クイズベタな問題であったが上位でも間違えている人がいたのが面白かった。7問目「日本三代実録」(六国史の最後)の後、8問目「縄文時代にナイフに使われた石のサジを何という?」という問題が出題され、上位陣は「石匙(せきひ)」を知識で正解。上野さんは「石のサジ」から勘で「石匙」と漢字で書いて正解。なんとも知識的な勘正解だ。9問目「畠山家」(三管領は斯波(しば)家、細川家とどこ?)、10問目「バターン号」(マッカーサーが乗ってきた飛行機)と出題されて、前半は鈴木さんと康生さんが全問正解で50点。友澤さんと上野さんが1問間違いで45点、Ryuさんと石丸さんが2問間違いで40点。平井さん、真下さん、ムレさんが3問間違いで35点。ここまでがボーダーであるが、後半で1問でも正解すれば逆転が可能なので下位にもまだまだチャンスはある。
後半の11問目。「出島でオランダ商館の館長はカピタンですが、副館長は何?」という問題に西田康生さんとムレさんが「ヘトル」を正解。後半も少しは正解が出るのかと思われた矢先、2問目「難波大助が虎ノ門事件を起こしたときに、後に昭和天皇となる摂政宮が乗っていた車は?」という超ド級の問題が出題され、あまりの難しさに会場からは笑いが生じる。当然スルー。(正解は「スペシャル号」) 3問目「臼井六郎」(日本史上最後のあだ討ち)はムレさん、鈴木さん、友澤さんが正解。平井さんは「六三郎」と書いてしまい惜しい誤答。最終的にこれが悔やまれる結果となった。4問目「加藤木重教」(「もしもし」を考案し、黒電話を作ったとされる人)は井田さんが単独正解。しかし、正解が出たのはここまでだった。「見張り畳」(時代劇で偉い人が座っている何枚も重ねた畳)、「キャサリン・メアリー・ドゥルー」(日本における海苔の養殖技術の発展に貢献)、「川島忠之助」(80日間世界一周の最初の訳者)、「北大路」(中村主水の旧姓)、「安国寺遺跡」(西の登呂遺跡)、「清水良雄」(赤い鳥の表紙を描いた人)と6問連続でスルー。しかし難問ボードあってこその日本史王なので全員が満足気な表情をしていた。実際、難しかったが面白い問題ばかりであったと思う。結果の方は、正解を出した西田康生さん、ムレさん、鈴木さん、友澤さん、井田さんに加え、正解は出せなかったものの上野さん、Ryuさん、石丸くんが前半のリードを守りきって準決勝進出となった。
準々決勝は5ジャンル制覇。
8ジャンル中5ジャンルを正解すれば勝ち抜け。誤答は3×失格。全体を4人ずつ2組に分け、各組2人勝ち抜け。
A組は西田康生さん、友澤さん、井田さん、上野さんの4人が参加。昭和事件史事件名、建物、発明発見、武器、仇名、女性、外国人、書物の8ジャンルが順に読まれていく。1問目「三億円事件」は上野さんが正解。上野さんは2問目「太陽の塔」、3問目「高柳健次郎」も正解して3連答、会場をどよめかせる。これに焦ったのか友澤さんは「村正」(妖刀)を「村雨」と誤答。上野さんの勢いは止まらない。5問目の「吉田石松」(昭和の岩窟王)も正解してリーチ。そして、次の「黒田チカ」を井田さんが「牧田ラク」と惜しい誤答をした後の7問目、再び上野さんのランプが点き「マシュー・リッジウェイ」を正解。相手の誤答を挟んでの怒濤の5連答で準決勝一番乗りとなった。上野さんが抜けた後は混戦状態。井田さんが「風姿花伝」「八海事件」、西田康生さんが「春帆楼」「寺内正毅」、友澤さんが「秦佐八郎」「鏑矢」と2問ずつ正解していく。しかし、14問目を井田さんが誤答でトビリーチとなり、西田康生さんも「ヒュースケン」を「オールコック」と誤答し1×。更に友澤さんも「発微算法」(関孝和)を「塵劫記」(吉田光由)と誤答してトビリーチとなってしまう。ここで×に余裕のある西田康生さんが「赤坂離宮」、「村田銃」(村田経芳が考案し、日清・日露両戦争で活躍した武器)、「大平正芳」と正解を重ねて大きくリード。友澤さんは「ガラ紡」を正解したものの、失格リーチで完全に指が止まってしまい苦しい展開。やはり1年間のブランクは大きかったのかと思われた22問目。スルー寸前となった問題に友澤さんがふっ切れたかのようにボタンを押し、「大塚楠緒子」を正解。これで完全に流れをつかみ、続く「オルガンティノ」「三国通覧図説」も正解して勝ち抜け。失格リーチから底力を発揮し、準決勝進出となった。
B組は鈴木さん、ムレさん、Ryuさん、石丸くんの4人が参加。昭和事件史犯人名、芸能音楽、農業、寺、暗殺、創業者、地名の8ジャンルで競われる。最初の8問では鈴木さんが「幸若舞(こうわかまい)」「飯森山」など3問正解、Ryuさんが「川俣軍司」(深川通り魔事件の犯人)、「眉輪王(まよわおう)」の2問を正解、ムレさんが「室生寺」「鮎川義介」の2問を正解、石丸くんが「契沖」の1問正解とほぼ互角の戦い。9問目「小林カウ」はムレさんが正解して3ジャンル獲得。鈴木さんは10問目「松井須磨子」を正解するも重複でジャンルは増やせず、12問目「六波羅蜜寺」は誤答。それを尻目にRyuさんが「玄ム」などを正解してリーチ。石丸くんも「稲葉正休」(堀田正俊を刺殺)、「生野銀山」「今様(いまよう)」と正解してリーチ。更に鈴木さんも「観勒(かんろく)」を正解してリーチと3人リーチに。そして、23問目。石丸くんが「村山竜平」(朝日新聞の初代社長)を正解して1抜け。これまでの日本史系の大会ではペーパーこそ上位で抜けるものの上位進出を果たしてなかっただけに、これで積年の思いを果たしたといえるのではないだろうか。残り1名となり緊迫した状況の中で問題が読まれ、ランプを点けたのはRyuさん。「鶯谷」を(後で勘だって言ってたけど)正解し、勝負強く準決勝進出を決めた。Ryuさんも鈴木さんには前回の準決勝で負けているので、同じ相手に2度は負けれないという思いも強かったのではないだろうか。
準決勝はドットイーター。1対1の対決で、準々決勝の1抜けvs2抜けの対決となる。黒板に書かれた「あ〜ん」の文字を解答することで消していき、より多くの文字を消した方が勝ちというルール。(答えが足利尊氏なら「アシカタウ」の5文字消去することができる。) 答えの文字数は後半にいくほど多くなっていく。
1組目は上野さんvRyuさん。2組目は石丸くんvs友澤さん。
決勝15ポイント先取。

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