GW東京紀行

その愛と勇気の記録
または愚か者の唄


 5月2日の朝。出発の日。昨日からちょっと体調が悪いがそんな事気にしていられる筈もなく家を出る。
 交通センターから空港まで車で約30分。8時発の飛行機だから、6時50分発のバスに乗れば悠々間に合う筈である。交通センターに着いて乗り場を確認。高校生くらいの部活の集団が並んでいる。GWに試合でもあるのだろう。程なく空港行きのバスが来る。列の一番後ろに並んでいたのだが、2〜3人乗り込んだあと、目の前の列が全然動かない。あれ? と思っている間にバスは発車。どうやら目の前の列は、同じ乗り場の違うバスを待っていたらしい…。
 気を取り直して15分程後の次のバスを待つ。が、少し時間が不安になって職員に訊いてみる。「こっから空港まで何分くらい掛かりますか?」「空港までは50分くらい掛かるよ」 ……絶対間に合わねぇ。と云うか、さっきのバスに乗っていても間に合ってねぇ。認識が甘すぎた。バスに乗れなかったのはある意味運が良いとも云える。仕方なくタクシーを使おうかとタクシー乗り場に行き、空港までいくら掛かるか訊いてみたら四千円くらいとの事。ぐ…これは痛い。どうしようかと少し考えるが、既に選択の余地は無い事に気付き、仕方なくタクシーを使う。しかし、いきなり四千なんぼの出費は痛かった。先が思いやられる。

 なんとか飛行機に乗ることが出来、機上の人へ。今回は後方窓際の席。翼より後ろに乗るのは初めてで、可変翼が思いの外大きく動くのに少し驚く。離陸している時に、自分の家あたりまで見えて嬉しい。タクシーでヒーコラやって来た道のりも空から見たらちっぽけなもんだ。
 雲の形が面白く無いので、上昇してしまえば暇に。仕方ないので、来る途中に買ったゲーメストを読む事に。買う時は急いでいて不覚にも気付かなかったのだが、表紙はなんと冬目景氏。しかもインタビューまで載っている。実に良い感じだ。
 俺はどうも気圧の変化に弱いらしく、長時間飛行機に乗っていると耳が痛くなってくる事がある。今回もそうで、1時間過ぎたあたりから鼓膜の奥が痛くなってきた。こういう時は唾を飲み込む事で気圧の調整が出来るそうだが、唾が全く出ねぇ。ああもう耳血出そうだ。と、バッグの中に飲みかけのペットボトル飲料がある事を思い出し、それを飲んでようやく落ち着いた。

 なんとか東京に到着。待ち合わせ場所は「やえす北口」としか訊いてない。行けば解るとの事なので、モノレールに乗る前に「やえす駅」とやらを探す。しかし見つからねぇ。困ったなぁと思いながら、取りあえず浜松町まで移動。そこでもう一回「やえす駅」を探すがやはり無し。しょうがないから火炎瓶君の携帯に電話。「やえす北口」について訊く。が、どうも会話が噛み合わない。暫く話してようやく東京駅構内に「八重洲北口」があると解る。
 解れば後はスムーズに東京駅に移動。待ち合わせの時間まで30分程あるので、表の噴水の辺りで「ぐぅ…」と寝ながら待つ。
 待ち合わせ時刻。あたりを軽く見回してみるが、篠原君達が何処にいるのか解らず、また火炎瓶君に電話。改札の前に居ると解る。篠原君が黒服じゃなかったから見落としてたぜ。まじで。

 そんなこんなで無事合流。こういう集まりの時いつも思うのだが、携帯って便利だよなぁ。自分じゃ持とうと思わないけど。

 それから氷の姉御と合流する時間まで秋葉原で時間を潰すが、俺の捜し物に皆をつき合わせて、あちこち引っ張り回してしまって申し訳無し。結局捜し物(プレステのピックアップレンズ)は見つからず。

 そうやって東京での4日間が始まった訳だが、いつ何が起こったかなど、時間的記憶が曖昧なので、印象に残った事だけピックアップして書く事にする(俺いつもこのパターンだな)。

 まるちさんこと水城嬢と火炎瓶君には今回初めて会った訳だが、水城さんは多少人見知りするトコがあったものの(俺もそうなのだが)、火炎瓶君とは初めてとは思えぬ程馴染んでいた様な気がする。
 しかし、篠原邸に行っていきなりキン肉マンの「超人図鑑」を見せるとは、俺の事をどういう目で見ているのか? 情報を吹き込んだ篠原君に是非とも問いたいものだ。と問うてみると「あらっとさんの事は良い事しか云ってねぇから」と保身抜群な御様子。馬鹿野郎、俺に関する良い情報など俺でも思いつかねぇぞ、と思ってしまった。また、「超人図鑑」が不覚にも面白かった。

 叢雲の嬢ちゃんに渡す約束だった恭介の絵が完成していなかったので、篠原邸で色を塗る。「机貸してー」「水入れ貸してー」と人ん家で我が儘放題。アクリルガッシュが珍しいらしく、水城さんが見ているのでちょっと緊張する。久しぶりと云う事もあって、なかなか思い通りにいかず(尤も、この画材を使うといつもそうなのだが)、失敗して思わず「あっ」と云った顔で固まってしまったのを叢雲嬢に見られてしまい、ばつが悪い。
 出来上がった物が最近叢雲嬢のHPに掲載されたが、それを見て一言「や、やり直させてくれ〜!!」 トホホ…。
 水城さんに、滞在中に何か一枚描いてくれと云われてたにも関わらず、暇が無くて描かずじまい。あまりに申し訳ないので何か描いて送ろうと思っているが、遅々として作業が進まず。

 一日目の晩いきなり徹カラ。皆テンションが高かったが、俺は歌うの苦手なので一曲も歌わず。しかし、人が歌っている時一緒に歌うのは好きなのでそれなりに楽しめる。篠原君があまり尾崎を歌わなかったのが残念。

 きりたさんやみかきさん達と合流して焼鳥屋に。きりたさんとは掲示板に時々お邪魔させて頂いているものの、こちらが一方的に知っているだけで一度ちゃんと挨拶しておきたいと思っていたので、思いがけずその機会に恵まれて嬉しい。さらにペーパーを頂いてホクホク。しかし、さよぽんのバッグに入れて貰っていたところ、返してもらうのを忘れてしまった。不覚。

 さよぽんの男の手料理を喰らう。旨かった。あれだけの量で一人あたり500円ってのは安い。やはりまとめて作ると安上がりなのか。
 八卦屋氏の提案で、皆が少しずつお金を出し合って、誕生日の近い叢雲嬢に誕生プレゼントをあげる事になり、さよぽんの手料理を喰ってる時にそれを渡す。そして野郎共のだみ声での「はぴばすで」の歌。実に俺ららしい。
 しかし、八卦屋氏も良く嬢ちゃんに気付かれずに買ってきたものだ。八卦屋氏の嬢ちゃんに対する配慮は見てて実に微笑ましい。俺が親兄弟嫌いだから尚の事そう見えるのかも知れない。

 篠原邸の近くのゲーセンでクレーンゲームをやってみる。一回200円のしか無かったが、ちゃんと取れる設定になっているし、景品の補充も頻繁にやってくれるので好感が持てる。
 始めにたれぱんだのお皿に挑戦、失敗。しかし、取れそうな雰囲気だったのでもっかい挑戦、見事ゲット。誕生プレゼントのおまけとして叢雲嬢にあげる。
 氷の姉御がもう一個取ってと無茶云うので、一回だけの挑戦と云う約束でやってみる。さっきより引っかける所が小さくて厳しかったが、なんとかゲット。俺って上手ぇじゃん、とちょっと得意げ。補充したばっかりの景品を取ってすまぬ、店員よ。
 その後、たれぱんだのコップに挑戦。2回目で取れる。これまた嬢ちゃん行き。
 結局、千円でお皿二枚にコップ一個。まずまずの戦歴と云える。ゲーセンの景品は取るまでが楽しいので(逆に景品が欲しくて挑戦すると、大変な目に遭う)、いらない景品を嬢ちゃんや姉御に押し付けられて一石二鳥。………頼まれて取った姉御のはともかく、嬢ちゃんには迷惑だったかな?

 皆がそろそろ寝ようかとしている時、シャワーを借りて部屋に戻ると、暑いので氷の姉御が布団から足を出していた。「ねぇやん足出してるー」 と足をぺちぺちやっていて、気が付いたら姉御のレクチャーを受けながら足の裏のマッサージをやる事に。結構上達したらしい。
 その後、そのまま起きてたら、八卦屋氏が氷の姉御の反撃に遭う。元々は、八卦屋氏が姉御を赤面させてからかおうと色々やってしたのだが、八卦屋氏が寝顔を見られるのを酷く嫌うと云う弱点を突かれて寝かせて貰えなかったのだ。ちなみに俺はどっちにも付かず、基本的に見てるだけ。「二人で潰し合って、せいぜい俺を楽しませるんだな」と云ったところ。お陰で八卦屋氏も姉御も俺もずっと起きてて睡眠不足…。

 怪談大会をやる。やはり文章で読むのに比べて雰囲気が出る。暫くして、横になって布団被ってる叢雲嬢の所に行って、持ってきた手の平サイズの音叉を聴かせる。これは、指で弾いて耳元まで持ってくると耳鳴りの様に聞こえるのだ。蚊の羽音の様な感じ。んで、それを聴かされた嬢ちゃん、ガバっと起きて「何か聴こえなかった…?」 いきなり起き上がったので急いで音叉を引っ込めたのだが、やはり俺を疑っているらしく(当たり前だ)俺の両手を広げてみる。しかしその時既に音叉は俺の膝の下。ばれずに済んだ。更に暫くしてもう一回やるが、やはりばれず。うむ、満足。しかし、篠原君等にも試したのだが、音に気付いてもらえなかった。不満。翌日になって嬢ちゃんにネタばらしをする。
 怪談が一段落してトイレへ。そこで自分が意外に恐がりであると気付く。トイレから出てその事を篠原君と話してゲハハと笑っていたら、氷の姉御が「何話してんの?」と訊いて来たので「いや、話したらねぇやん怒るもん」と云ったら「不潔ー」  だってしょうがねぇじゃん。いやぁ、体は正直だ(何があったかは不明)。

 雨に濡れたジーパンがなかなか乾かなくて気持ち悪かったので、その晩はジーパンを脱いでTシャツとトランクスで寝る。朝起きたら千鶴さんに見られたくない状況に。暑かったから掛けてるのは薄いタオルケット一枚で、遮るもの何も無し。誰にも見られなかっただろうな。全く、無駄に元気だ(連チャンで下ネタかよ)。

 やたら氷の姉御や叢雲嬢の頭を撫でてたら、姉御に「あんたすっかり撫で癖が付いたねぇ」と云われてしまった。確かにそうかもしれない…。

 帰りの新幹線は、人生の勝利者、ブルジョワ階級だけが乗れると云うグリーン車だ。単に切符を取るのが遅く、グリーン席しか開いてなかった為なのである意味敗北者なのだが。なんせ東京〜博多間で八千円くらい高いのだ。シャレんなんねぇ。
 それでグリーン車の感想だが、「世の中間違ってる」 の一言である。なんせ車掌が切符を見にこない。おねいちゃんが見に来るのだ。しかも各駅ごとにおねいちゃんがゴミを集めに来る。そのくせ飛行機みたいにコーヒーなどのサービスがないのが残念。また、前の座席の背もたれには専用の雑誌が二種類標準装備。一つはビジネス誌でもう一つはなにやら文化的な感じの本だ。どうれ、儂もひとつブルジョワの方々が読む文化的な本でも読もうかのう、と思ったのだが、すぐ眠くなる。駄目助。

 ダランが皆のハートをダランキャッチ。


 まぁそんな訳で偉く楽しかったのだが、妙に短かった気がした。ホントに三泊四日もしたのだろうかと云った感じである。また、篠原邸の辺りは所謂下町と云った風情で、全然東京に居ると云う感じがしなかった。しかし、電車で数駅移動するとすぐ繁華街に出る。ちょっと不思議な感じだった。
 また、宿を提供してくれた篠原君をはじめ、今回も皆に世話になった。ありがとう。行くのは大変だが、こういう機会に誘って貰えるのはそれだけで酷く嬉しいものだ。これからもまたよろしく頼む。

 と云った感じでこの記録も終わるとしよう。ちなみに書き終わった今日の日付は5月26日である。時間掛かり過ぎ。


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