……どうやら夕べは、携帯用のファミコン互換機(つまりはパチモン)でメタルスレイダーグローリーをやっていて、効果音が上手く鳴らないのに互換機の限界を感じつつ、寝落ちしてしまったようだ。 そして気がついたらここである。つまり何も解らないも同然だ。 無駄な回顧を後悔しつつ、改めて部屋を見渡す。何も無い。何も無いが、壁には何故かドアが3枚も並んでいる。あの間隔では、どれを開けても同じ部屋に繋がっているのではないか? ドアには左からそれぞれ、「3」 「2」 「1」 の番号が書いてある。とりあえず真ん中の「2」のドアを開けてみると、 壁だった。どうやらこのドアはダミーだった様だ。イラっとしてドアを閉じると、ドアの間に−や×などの記号が書いてあるのに気づいた。ドアの番号と合わせてみると、 3−2×1 となる。 計算すると答えは1。という訳で「1」のドアを開けると、今度は本物だった。 なるほど、こうやって正解のドアを選べば良かったのか。とは言え、別に不正解のドアを開けても特にペナルティもないようなので、総当りでドアを開けても良いだろう。 楽勝だな。そう思いながら私はドアをくぐった。 ……っ!? 次の部屋に入った私は絶句した。部屋というよりは廊下に近い細長い空間には、無数のドアが並んでいた。数十枚はくだらないだろう。一応適当なドアを開けてみたが、やはりそれはダミーだった。流石にこれを総当りで開けているのは骨が折れる。 振り返ると、今くぐってきたドアに問題らしき物が貼り付けられている。どうやらこれを解いた方が労力は少なそうだ。
解く |