グラタン
gratinグラタン
(英)gratin   (伊)gratin


容器の内側に付くお焦げを 「 削り取る gratter 」 ことから派生した料理用語。
例えばベシャメルソースを加えた白いソースにおろしチーズやパン粉をのせオーヴンで表面に焼き色の付いた皮を作り出す料理のことである。
この方法で調理を完遂する場合は 「 グラティネする gratiner 」 と言い、単に焼き色を付ける場合は「 グラセする glacer 」 と言う。
焼き色の付いた皮を表面に作ることにより、中のソースや材料の乾燥を防ぎ、蒸し焼きまたは蒸し煮の状態にするため、強火のオーヴンで行う。
⇒カソレット、カネロニ、グラセ、コキール。

▼ 本格グラタン gratin complet
生の主材料をグラティネして火を通す。また加熱中にソースの表面が煮詰まり上部にふったチーズやパン粉、バターがソースと共に皮を形成する。これらを同時に完成させるために材料やその大きさにより火加減を調節する必要がある。バターを塗った耐熱皿に材料を入れ、白ワイン少々を注いでから材料を覆うように適宜のソースをかけ、パン粉(場合によりおろしチーズ)を全面にふってから溶かしバターをかける。ソースが多すぎると煮詰まって丁度よい濃度になる前に皮が形成されてしまうのでソースは前もって適度に煮詰めておくと失敗しない。またソースが少なすぎると皮ができる前に蒸発してしまい、皮も均一に形成されない。一般的には材料が大きいほど火力を弱くする。オーヴンから出したらすぐにレモン汁少々と刻みパセリをふってもよい。

▼ スピードグラタン grain rapide
前もって火を通しておいた主材料に煮詰めておいたソースをかけて作る。パン粉、溶かしバターをふり、本格グラタンと同じように、ただし常に強火のオーヴンで加熱し、皮を形成する。

▼ 軽いグラタン gratin léger
マカロニ、ラザーニャ、ニョッキなどのパスタにおろしチーズ、パン粉、バターをふってグラティネする時は中火のオーヴンで表面にお焦げを作る。またトマト、シャンピニョン、なすなどにパン粉とバターまたはオリーヴ油をふって強火のオーヴンに入れて作る。トマトやシャンピニョン、なすなどは油で軽くソテしたりしてから行うことが多い。

▼オニオングラタンスープ soupe à l'ognon gratinée
よくいためた玉ねぎにコンソメを加え、トーストをのせておろしチーズをふり、オーヴンでグラティネしたスープ。19世紀、パリのレストランで夜食として流行した。
⇒カフェ・デ・ヴァリエテ、:ガルビュール

[ルセット]
●舌ひらめのグラタン sole au gratin

●ソース・グラタン sauce gratin

●トマトの詰め物のグラタン tomates farcies au gratin

●なすの詰め物のグラタン aubergines farcies au gratin

●フルーツのグラタン fruit gratiné

●マカロニグラタン macaroni au gratin

上記ルセット省略

:アスパラガス、アンティーブ風、いわし、いんげん、牡蠣、カリフラワー、きゅうりうお、コート・ドール、コキール、サヴォワ、しらす、つぐみ、ドフィネ、ニョッキ、パティヤ、ビート、フォンデュ、ほたて貝、マカロニ、ルージェ・バルベ。

※事典の記述とは多少異なります。








日仏料理協会レストラン リパイユ