ジビエ
gibier
ジビエ
(英)game   (伊)selvaggina, cacciagione


狩猟で得る鳥や獣の総称。
「(隼を用いた)鷹狩」を意味するフランク語 gabaiti が語源で中世には「狩」の意味であった。
狩猟を得意としたフランク族戦士の末裔であるフランス王や貴族は、戦闘訓練の要素もあった狩を好んだため多くのジビエ料理がグランド・キュイジーヌの料理に存在する。猟鳥獣が著しく減少した現在では禁猟期間中に飼育した雉などを野に放ったりもしている。「生命維持のための食糧」ではなく、ノスタルジーとスノビスムによって食べることが多い。かつては肉の香りを楽しんだためと肉を柔らかくするために特に猟鳥にフザンダージュと呼ぶ熟成を行なっていた。鹿などの獣肉も長時間マリネ液に浸して味付けした。現在ではフザンダージュは衛生上の問題もあり、愛好家以外はほとんど行なわない。 ⇒熟成▽フザンダージュ。

ジビエは以下の2種類に大別する。
▼猟獣 gibier à poil
ジビエ・ア・ポワル(=毛のジビエ)と呼ぶ哺乳類の獲物。
鹿、猪など大型のものをヴネゾン venaison ともいい「狩、狩の獲物」を意味するラテン語 venatio が語源である。野うさぎなどはバス・ヴネゾン basse venaison(=低ヴネゾン)ともいう。

▼猟鳥 gibier à plume
ジビエ・ア・プリュム(=羽のジビエ)。
野鴨、雉、野鳩、しゃこ、ひばり、うずら、つぐみ、しぎ、雷鳥など鳥類の獲物の総称。

⇒アルカンタラ、アルデーヌ、家禽、グラス・ド・ヴィアンド、グラン・ヴヌール、サルミ、サンテュヴェール風、スヴォーロフ風、ディアーヌ風、ドイツ風、トック・デュ・プレジダン・アドルフ・ルクレール、肉屋▽家禽肉店、ニムロデ風、フォン、マリナード、ムニュ・ドロワ。

:コンソメ、ジュレ。

※事典の記述とは多少異なります。







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