エスカルゴ
escargotエスカルゴ

(英) snail,  (伊) lumaca, chioccia


マイマイ科のかたつむり。陸性の巻き貝。
「甲虫」を意味する escarbot と同じくラテン語 scarabaeus が語源である。
プロヴァンス語ではエスカラゴル escaragol というが、他にもヨーヌではガンゴーヌ gangone、フランドル地方ではカラコル caracol、ルシヨン地方ではカルカロダ carcalauda、サントンジュ地方ではカグーユ cagouille など多くの呼称がある。
フランスでは主に以下の2種のエスカルゴが食用として出回っている。

☆ ブルゴーニュ種 escargot de Bourgogne
「ぶどう畑のエスカルゴ escargot des vignes」「大白 gros blanc」とも呼ばれ成長した殻の大きさは4〜4.5cmで黄褐色の地に茶色の縞模様がある。ブルゴーニュ、フランシュ・コンテ、サヴォワ、シャンパーニュ地方で獲れる。

☆ プティ・グリ petit gris
成長した殻の大きさは3〜4cmで茶色がかった地に灰褐色の渦巻き模様がある。プロヴァンス、ラングドック、シャンパーニュ地方で多く獲れる。身はしまっていて味がよい。天然のエスカルゴは2種とも減少してきているが、プティ・グリの養殖は盛んである上、中央ヨーロッパ、ギリシャ、スペインなどに加え、アジアの国々から低価格で輸入もしている。

フランスではエスカルゴを魚屋で売っている。生きたままのもの、シャルキュトリなどで売っている調理済みのもの、缶詰め、冷凍ものもある。また、乾燥した殻も売っている。絶食をしている冬の休眠中のものが最も味がよい。
エスカルゴを食用にしていた歴史は有史以前にまでさかのぼり、古代ローマ人は大型のエスカルゴを好んで食べ、養殖もしていた。キリスト教徒にとっては「肉断ちの金曜日」のご馳走であった。19世紀になってタレーランは、17世紀にあまり食べなくなったエスカルゴをカレムに料理させ復活させた。
天然のエスカルゴは調理する前の12日間、絶食させる必要がある。これは人間にとって有害な有毒植物を食べている可能性があるからで、この間も、やせすぎないようにクルジェット、穀物などを与える。また、絶食中にタイム、フヌイユ、いちじくの実を与えるとわずかにその風味がする。ワインやトマトのソースと共に、またはパイ包み、フリカセなどにするが、エスカルゴバターを使う“エスカルゴ ブルゴーニュ風”は有名である。

▼ エスカルゴキャヴィア caviar d'escargot
1980年代にエスカルゴの卵を白いキャヴィアに見立てて料理に用いることが流行し、1987年には日本に大量に輸出したが、現在ではあまり食べない。

▼エスカルゴトング 〔パンサ・エスカルゴ〕 pince à escargots
オーヴンで焼いて熱くなっているエスカルゴを殻ごと挟む卓上器具。

⇒カグイユ、カルゴラード、シャブリ、ブルゴーニュ。

[ルセット]
●エスカルゴバター beurre pour escargots   

省略

:オニスとサントンジュ、クロケット、ぶどう栽培者風、ロワールワイン▽下流地域。

※事典の記述とは多少異なります。






戻る レストラン リパイユ