菜種
colza[コルザ]

(英) colza, rape (伊) colza


アブラナ科アブラナ属の西洋油菜(あぶらな)。野生種はヨーロッパの砂浜に自生し、ルタバガは近縁種である。
中国、インド、カナダに加え、世界の温帯地域で栽培している搾油用作物。フランス語のコルザは「キャベツ kool、種 zaad」の合成語のオランダ語が語源。また「菜種」は油菜の種(たね)のことでもあり、植物としては「油菜」、花を「菜の花」ともいう。
草丈は1m程になり、春に黄色い十字の花が咲き、種が熟すのは日本では梅雨の頃である。種は40%前後の油分を含んでいるので東ヨーロッパでは古くから油用に栽培しており、フランスでも栽培していたが、19世紀になるまで食用油にはしていなかった。
日本でも17世紀には菜種油が主たる油の一つであり、食用及び灯用だった。現在では日本産のものはごくわずかで、ほとんどの菜種が輸入物である。開花前のつぼみや若葉を野菜としても食べる。ほうれん草の2倍程もあるビタミンCに加え、カルシウムやミネラルも豊富である。ブロコリのように調理する。小松菜、芥子菜、高菜、野沢菜、京菜などもアブラナ属の葉野菜である。

▼菜種油 huile de colza
菜種の種子から圧搾、抽出法で採った半乾性油。主な産地はカナダ、中国、インドである。安定性がよく、0℃近くになっても凝固しない。飽和脂肪酸の含有量が植物油脂の中で最低である。またエルシン酸という毒性の脂肪酸が含まれているので、これを取除かなければならないが、日本で多く輸入しているカナダ産のものは品種改良をしたのでほとんど含んでいない。従来のものと区別するため「カノーラ」と呼んでいる。日本ではサラダ油や天ぷら油に用い、フランスではあまり使わない。また、菜種油の上質なものを白絞油というが、脱酸、脱臭、脱色した油の総称としてもこう呼ぶ。⇒油

※事典の記述とは多少異なります。








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