すずき (鱸)
bar[バール]

(英)bass, seabass  (伊)spigola, branzin, lupo di mare


スズキ科の海水魚。

bar
の語源はオランダ語でパーチを意味する baers。
loup de mer
は 「海の狼」、 perche de mer ペルシュ・ド・メール 「海のパーチ」 とも呼ぶ。

北海道南部以南の日本各地、朝鮮半島南部、大西洋北西部及び地中海、黒海に分布する。体長は大きいもので1m、体は紡錘形であるが、やや偏平で細長い。背は灰色がかった青褐色で腹部は銀白色である。黒っぽい斑紋があるものも成魚になると消える。
産卵期は12〜1月で、夏までの幼魚期には汽水域や河川に入る。夏が旬である。

日本では 「せいご→ふっこ→すずき」 と、成長によって名が変わる出世魚であり、フランスでは各地方によって以下のような様々な呼び名がある。

▼大西洋岸
エファシュ(若魚) efache, クロシー(幼魚) crossie, バロ barreau, ブリーニュ brigne, リュバン lubin, リュビーヌ lubine, リュピナ lupina, リュピナチャ lupinatcha, ルービーヌ(成魚) loubine

▼地中海岸:
ルー loup, ルーバルー lloubarrou, ルーパスー loupassou, ルーバ loubas, グトグレオ gutgreo, ラニョーラ ragnola

▼英仏海峡:
バルセ(幼魚) barcet, ブローク braok, ドルネーク drenek

大量には捕れないので高価な魚であり、身は上質でしまっていて、淡白でしかも骨が少ないため、古代ローマより好まれた。煮たり焼いたり、ブレゼ、ムニエルなどにした繊細な料理に向く。また、マヨネーズやブール・ブランを添えた冷製料理にもよいし、南フランスではブイヤベースにも用いる。
ひらめと同様に調理する。

※事典の記述とは多少異なります。








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