メルバ風
Melba[メルバ]

ブルジョワ料理にいくつか名を残しているメルバ Nelly Melba(?〜1931)。オーストラリア人声楽家で、イギリスで大好評を博した。

▼ピーチメルバ pêche Melba
1892年、リッツが総支配人であったホテル・サヴォイにはエスコフィエが料理長として腕を振るっていた。 エスコフィエはコヴェントガーデンのオペラハウスで彼女の歌うローエングリンが好きだったので、同ホテルに逗留していたメルバがオルレアン公と夜食を取った際かねて考案していたデザートを供した。このオペラの中に白鳥が現れることから、氷彫刻の白鳥の背に銀の器を置き、ヴァニラアイスクリームと半割の桃のコンポートをのせたものを作ったのであった。1899年ロンドンのホテル、カールトン開業の日、初めてピーチメルバなる名で、このデザートを世に出したが、初めのものとは多少異なったものになっていた。 ⇒リッツ。

[ルセット]
ヴァニラ風味のシロップで半割りの桃をゆで、冷めてから銀の器に盛ったヴァニラアイスクリームの上にのせ、フランボワーズのピュレを塗る。ここにスライスアーモンドをふると「桃の枢機卿風 pêche cardinal 」 になってしまうので注意。

▼メルバトースト toast Melba
フォワグラのテリーヌなどに添える薄いトースト。
ピーチメルバ考案の後、ホテル・サヴォイの総支配人リッツの妻マリがお茶の時間に出されるトーストを見て、もっと薄くパリパリにしたものにできないかとエスコフィエに尋ねた。エスコフィエは1度焼いたトーストを半分の厚さに切り、再び焼いて供した。そこでトースト・マリと命名されたが、後にメルバが病気になった時その彼女のファンであったマリが名を譲り、メルバトーストとなった。 ⇒ムイエット、ラスク。

※事典の記述とは多少異なります。








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