「戦争終わったな、ヒイロ。お前これからどうするんだ?」
サリィの元で一通りの検査と治療を受け、部屋を出たところで
待ち構えていたらしいデュオに声をかけられる。
「………」
「ちえ、だんまりかよ。ま、いいさ。オレはお前についてくから。いいよな?
ダメっていっても追っかけるからよろしくー」
にこにこ笑ってそう告げるデュオに、ヒイロは何も答えなかった。
「マリーメイヤねぇ。ありえないことじゃないだろうけどさ、もし本当の子ならトレーズも
ずいぶん若い頃からお盛んなことで」
「………」
「行くんだろ?オレはお前についてくから。頼りにしてくれていいぜ〜」
器用にウィンクしてにっと笑ったデュオは、言葉通りシャトルの手配からルートの
割り出しまで即座に行ってみせた。
何か言いかけていたヒイロは、結局何も言わずに口を閉じた。
「あ、そういえばさ。言ってなかったな…って思ったんだけど。あのさ、ヒイロ」
「なんだ」
「オレ、お前が好きだから」
照れたように笑うデュオに、ヒイロは複雑そうな視線を向けた。
そして一言「そうか」と返した。
―――A.C.198年。2月14日。
「あのさ、ヒイ……ふがもごっ!?」
「いい加減にしろ」
「もがもがふがぁっ!」
不満気にわめく声を無視して、ヒイロは小さく笑った。
「そう毎回先に言われては困るんだ。今度ばかりは、俺が言わせてもらう」
「………」
口を塞がれたまま、デュオが驚いたように静かになった。
伺うような眼差し。
彼にだけ聞こえるように、耳元で囁きかける。
「俺は、お前と――…」
つづきは、2人だけが知っている。
end.
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