何故付き纏ってくるのだろう。
デュオ・マックスウェル。正体がつかめない。
鬱陶しいが、殺すのも面倒だ。
物好きほどタチの悪いものはいない。
振り払っても振り払ってもやってくる人間にはついぞ会った事がない。
―――なんて面倒な。
いっそ手間でも殺そうか?
それはかなり胸のすっとする想像だ。
そう思うのに何故だろう、引き鉄を引きたくないような気がする。
これは多分悪い兆候。
感情というものに起因する、人間特有のものが溢れ出ようとしている。
決着は、表面張力を越える前に。
だが、今俺はどういった決着をつけようとしているのか。
突き放すのと、捕らえるのと。
どちらが正しい選択なのか。
けれど、捕らえようとしても逃げられる。
それをどこかで知っている。
例え今追ってきていても、それはきっと全てにならない。
それこそ懐いたふりで懐かない、野良猫のような気まぐれで。
end.
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