羽根つき



「ヒイロ、羽根つきしよう!」


朝一番に聞いたのははずんだ、そんな声だった。
年が明けたばかりの気温は、当然のことながら寒い。
そんな肌に刺さるような空気の中を並んで近くの公園まで歩く。

『平和』というものに慣れたのか。
ただ、隣を歩く存在にこころを許してしまったのか。

以前なら考えられなかった自分の行動は誰よりも自分にとって違和感をもたらす。

―――それでもいい。
目をつむることで護れる時間ならこのままでいい。

そう自分で決めたのだから、後悔はない。

今のままでいられるのならば。他に変えられるものはない。

「負けたほうは墨だからな」
そんなどこで入手してきたのかもわからない古のルールを口にするデュオは楽しげで、だから最後までヒイロは気付かなかった。



「……甘くなったな」

そんなの、お前じゃないのに。



微かに呟かれた言葉と一瞬瞳によぎった失望の色。
笑顔の下のその陰に、気付かなかった。

                                          end.




COMMENT;

去年のお正月限定です。
正月早々やったら暗いです。ブルーだったうさぎの心情を如実に物語っております。
しかし、すれ違いを目指してた辺りにあがきが!!Σ(・ロ・)
そういえばこういう目標でスタートした一年だったのでした。
去年の反省をするならば、微妙にしか達成出来なかった…としか言えませんね(苦笑)
以下、去年の文章です。↓

あけましておめでとうございます!
なんか年明け早々暗いわけのわからないものですいません…。
今年の目標が「すれ違いラブ」だったりしたのでそれを目指したら
なんか暗く……(爆)


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