そう、もしするんだったらバード・キス。
それもちゅって音がするような、一瞬だけど熱烈なやつ。
触れる瞬間の緊張が好き。
目があった瞬間の照れくささが好き。
何より、ほんの少しだけ和むあの瞳を見られる一瞬が溜まらなく好き。
照れ隠しにギャグの一つも言ってみせれば壊れる脆い空気、溜息を吐きながらもちゃんと望み通り壊してくれる不器用な気遣いが好き。
擦り抜け様振り返って、無表情が微かに笑む。
先程まで触れていた筈のあの口元にどきりとする。
デュオ、と呼ぶ低い声もお気に入り。
滅多に呼ばれないからこそ価値があるし、凄く嬉しい。
余裕を与えてもいい、自信をもたせてもいい、でも本当は主導権を
渡したふりで渡さない。
大好きなキスをもらうその代わり、今日も俺は猫をかぶる。
end.
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