dream



「・・・あ・・・・・・」

狭い室内に濡れた声が、音が、響く。

「や・・あ・・・・・・・・・ヒイロっ」

絡み合う二つの影。荒い息遣い。

一際高い声を上げて力尽きたように崩折れてくる肢体を抱き寄せ、唇を 寄せる。

すがるように肩へと伸ばされた指をつかみ、軽く口付けシーツへと縫い とめた。
そのまま身体を寄せ、肌を重ねる。

重なる鼓動。

生きている証。

それに泣きたいくらいの安心感を覚え、ヒイロはデュオを抱きしめる。

長い髪を梳き、頬に手を添えその瞳を覗こうとした。
――その時。



「・・・・・・夢か」

伸ばそうとした手がぱたりと落ち、胸の内が空虚に支配される。

焦がれたそれは。
もう、喪ってしまったぬくもり。

                                          end.




COMMENT;

あの話4です。妙に暗い・・・というかデュオ死んでます(死)
たまには書いてみようか、短いしいいだろうと思ってやったわりには
自分で落ち込んで、次のが妙に甘くなったという・・・・・・・(爆)


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