one day



小さな村の魔法屋にその日一人の来客があった。
挨拶もなく、開口一番に用件を言う突飛な登場の仕方で。

「デュオ、お前を一日雇いたい」

「ヒイロじゃねーか、久しぶり。何か面倒でもあったのか?」

「いや、そういうワケじゃない」

あいかわらず無口無表情の騎士さまは口下手だ。

「あいにくこの村に法術使えんのはオレしかいないんだ。だから遠出はちょっと困るんだけど・・・」

「時間は取らせない」

「なんの任務なわけ?」

「任務じゃない」

会話が噛み合わない。

その時ふとデュオの頭にある可能性が閃いた。

「・・・デートのお誘いならコトバを選べよ」

「・・・・・・っ」

そっぽを向いてしまった表情からどうやら正解らしいとわかる。

「了解。ただし一日だけ、な」

くすくす笑いながら返事をしたら不機嫌そうに抱き寄せられた。

「うるさい。行くぞ」

「夜は、時間外延長料金もらうからな」


減らず口は、キスで塞がれた。

                                          end.




COMMENT;

あの話その3です。本当は同じタイトルで別の普通のお話(storyに載せるほう)を
考えてたのですが、こねくりまわしててめんどくさくなったので短編にしちゃいました(爆死)
そっちもいつか書きます・・・予定は未定ですけど(^w^;


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