本当にそれだけのつもりだったのだ。 つまり、『ヒイロ・ユイの寝顔』なるものを。
よっぽど疲れているのか、それとも自分を信頼してくれているのか。 相手はヒイロなわけで、どう考えても珍しいどころの話ではない出来事だった。 机の上につっぷしたまま、静かに上下する背中。 なんとなく側に近づきたくて、起こさないかハラハラしながらもすぐ側まで歩いていく。 顔を近づけても、やっぱり起きない。 今起きたら、殺されそうだな・・・。 そう思いながらもその寝顔をまじまじと眺めてしまう。 ――――やっぱり、コイツ顔いいよなぁ・・・。 意外と自分はメンクイだったらしい。 しばらく、見惚れて。 そおっと、ホントにそおっとこめかみのあたりに唇を押し当てた。
その数秒後、いきなりヒイロはがばりと起きあがった。 ホントは最初から起きていたのだけれど。 なんとなく、デュオがどんな反応を返すだろうと好奇心を出してしまったのだ。 結果は・・・・・・。 「なんなんだ、あいつは・・・」 まさかあんな事されるとは、予想もしていなかった。 これは脈あり、ととってもいいのだろうか・・・? 長く続けた片想い。どうやら、少なくとも新たな可能性はでてきたようである。
ヒイロはとりあえず、めずらしくも真っ赤になってしまった頬の熱を冷まそうと。 必死で冷静になる努力を開始するのだった。
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あの話12です。本当はコレ、ここに載せるか迷いました。
2222HITER ゆっち様に捧ぐ!お題:『照れるヒイロ』でした。 |