fall in love



「恋をするときとそれを自覚するときって違うんだってさ」

窓の外を眺めていた青の瞳が思い出したようにこちらを向いた。

「それってその人を好きになるのとそれに気付くのは別の時ってコトだよな。
気付いた瞬間って・・・どんな感じなんだろうな」

朝焼け特有のしろい空が彼の横顔を照らし出した。長い髪を風に揺らすその姿は
宗教画めいてとても綺麗。

「知らないのか?」

長い髪を指にからめて聞いてみる。

「うん。お前は?」

軽く頭を振ってその指から髪を取り返した。

「知らないな」

見つめ合う瞳は互いに確信犯。

一瞬の沈黙の後、二人の口許が軽くほころぶ。
そのまま静かに唇を重ね、再びベッドへと倒れ込み。


「自覚も何も、会った瞬間好きだったからな」


呟いたのは、どちらだったのか。

                                          end.




COMMENT;

あの話その1です。宙でお馴染みの方々はもうご覧になったシロモノ。
再録と言えば再録ですが、はっきり言って見たことある人のが少ないので
載せてしまいました(爆)
今後とも連載ごとにある程度期間を置いてから載せていきたいと思います。
我ながら、甘いッス(−−;)

●宙のあの話
 その宙の防人さんに「○○さん、○宙でもあの話してってくださいよ」
 と言われたら、有無を言わせず何かお話をしていこうというモノ。


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