窓の外を眺めていた青の瞳が思い出したようにこちらを向いた。
「それってその人を好きになるのとそれに気付くのは別の時ってコトだよな。
朝焼け特有のしろい空が彼の横顔を照らし出した。長い髪を風に揺らすその姿は 「知らないのか?」 長い髪を指にからめて聞いてみる。 「うん。お前は?」 軽く頭を振ってその指から髪を取り返した。 「知らないな」 見つめ合う瞳は互いに確信犯。
一瞬の沈黙の後、二人の口許が軽くほころぶ。
end. |
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あの話その1です。宙でお馴染みの方々はもうご覧になったシロモノ。
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