Child



恋と愛は、どこで変わるのだろう。



「ヒイロ、オレのこと好き?」

確認するようなデュオの質問にふいをつかれながらも答えてやる。

「ああ、好きだ」

「じゃあ、オレのこと愛してる?」

「ああ」

「じゃあお前はオレに恋してるの、愛してるの、どっち?」

言われて返答に詰まる。

恋とは幼いものなのだと聞いた。
相手をつよく求めて燃えるような激しい想いなのだと。

愛とはあたたかいものだと聞いた。
相手を受け入れ守り、包み込むような想いなのだと。

彼を求める想いは恋だと思う。けれどたまらなく愛しく感じるそれは愛だと思う。

それはどちらがどうと区別できるものなのだろうか。

「やっぱお前でも答えらんないか。じゃあいいや」

そう言って自分が今言ったことも忘れたかのように機嫌良さげに食事の準備にとりかかる。

それは無防備そうでいて鉄壁の拒絶のようだった。

「……デュオ」

問いかけるような呼びかけに微笑みが返る。

けれど、それを見た瞬間頭によぎったのはどうしてか哀しみだった。



それは、愛されることを知らない子供の。

                                          end.




COMMENT;

実は告白シリーズの一部だったんですが、
どうにも先が続かないのでこれの1つ前で完結ということにしました;


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