※死にネタ注意


別離



ばさり、と花を落とす。

1本、また1本、投げ落とす。

腕に抱えた花が1本、また1本減ってゆく。

ばさり、と花を落とす。

乱暴に落とされた花から花びらが数枚、こぼれて落ちた。

―――お前に似ているな。

からかうでもなく、呟き微笑んだ彼の顔を思い出す。

ばさり。

花の下に、横たわるひとつの体。

肉の、塊。

ばさり。腕に抱えた最後の太陽の花がその上に捨てられる。

………。

捨ててしまった腕には何も残らなかった。

未だぬくもりの残る銃身に愛しげに口付け、デュオは全く興味を失ったかのように踵を返した。

知らず浮かぶ晴れやかな笑み。

…一度だけ、振り返る。


「ばいばい、ヒイロ」


―――お前なんか大嫌いだった。

                                          end.




COMMENT;

20011002がシンメトリーだったのに気付かず更新しなかったというショックから衝動的に書いたちょっと(?)暗いモノ。
徹底的に嫌いあった二人にしようと思ったはずなのに読み方によってはもしかしたら甘いかもしれないと気付いてしまいました…むむ(-w-;


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