ばさり、と花を落とす。
1本、また1本、投げ落とす。
腕に抱えた花が1本、また1本減ってゆく。
ばさり、と花を落とす。
乱暴に落とされた花から花びらが数枚、こぼれて落ちた。
―――お前に似ているな。
からかうでもなく、呟き微笑んだ彼の顔を思い出す。
ばさり。
花の下に、横たわるひとつの体。
肉の、塊。
ばさり。腕に抱えた最後の太陽の花がその上に捨てられる。
………。
捨ててしまった腕には何も残らなかった。
未だぬくもりの残る銃身に愛しげに口付け、デュオは全く興味を失ったかのように踵を返した。
知らず浮かぶ晴れやかな笑み。
…一度だけ、振り返る。
「ばいばい、ヒイロ」
―――お前なんか大嫌いだった。
end.
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