「ひ・い・ろくーん♪」
えへらっ、と妙にほがらかな笑みを向けられて、ヒイロは後ずさった。
逃げ場はない。
さすがに机は撤去したものの、元から狭い部屋だ。相手の意識を逸らせる物品もなければ、視界を遮るようなものもない。
それをわかっているデュオは、うふふー、と含み笑いをもらしつつにじり寄ってきた。
「さあて…観念してもらいましょーか」
どすっ、と重厚なイイ音をたてて一升瓶が目の前に置かれる。
「―――こぉのデュオ様と、飲み比べだぁっ!!!」
うひゃひゃひゃひゃ、と明らかに酔っ払ってるとわかる笑い声をたてるデュオの背後には、既に潰された3人が屍のごとく転がっていた。
まこと、自分が酔ってないと信じている酔っ払いほどタチの悪いモノはない。
end.
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