Postpet ?



「よーし、コレにしようっと♪」

お土産はなににしようかな。
しばらく首を傾げた後、デュオはご主人が部屋に用意してくれた花瓶から手頃な一輪を選び出した。
バニラみたいな甘い香りがふわりと香る。
小さな白いつぼみのたくさんついたその花は、名前は知らないけどなんとなくこれからお使いに行く相手に似合う気がしたから。
そっけないとことか、地味なくせに妙な存在感あるとことか。

ペットが手紙に添える花は親愛の証なんだって。

なんとなくくすぐったい気持ちになりながら、ミニウサギはぴこぴこと任務遂行のため部屋を出て行った。



さて、舞台は移ってネコのお部屋。

ヒイロは先程手紙を持ってきたデュオが帰ってから、ずっと何やら思わしげに手元の花をじーっと見つめていた。
『はい、コレ』
にっこりと笑って渡されて、思わず受け取ってしまったがどうしよう。
そのままの意味でとるべきか、深読みしちゃっていいものか…。
それで進退が決まるので悩みどころである。
菓子箱を遠慮なく漁っていった姿からはどうにも期待薄なのだが。
「………どっちでもいいか」
まあ、押し倒せばわかることだし。

据え膳食わぬはペットの恥。

理論武装も完璧だ。
自分から落っこちてきた獲物に逃げられる気は毛頭ないヒイロだった。

花の名はヘリオトロープ、花言葉は永遠の愛。
知らぬ間に自分からプロポーズしてしまったなんて全く知らないウサギである。
次に遊びに来る時がその後の運命の決まるとき?

 …合掌 !!


                                          end.



2000.7.12.
これは、元はほんのお遊び的に書いたものです。
私が某サイトの管理人さんのお誕生日にデュオが花持ってく話を書いたら、それがポスペみたいー、という話になりまして。調子づいた私がコレを書いて数人の方にメールで配りました。
結構長く続いてるのでせっかくだからサイトにも載せます。
これが裏行きになった理由は、何個か読んでいけばわかります…つまりそういう展開にいくのです。
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