てららんの迷言 No.003
無知の知。
愚痴っぽい話
今回のお話も、ちょっと愚痴っぽい話から始まってしまうが、「無知の知」について。
新人教育をしていて、とても困ったこと。
僕は他に仕事があったので、付きっきりになれなかったのだが、
「解らないことがあったら、何でも聞いてくれ。」と言って、
新人にちょっとした仕事を任せたのだ。
その新人は、「解らないことはない?」と聞いても、「大丈夫です」と答える。
本当に大丈夫か?と思いながら、案の定、予定の日に蓋を開けてみたら中身はボロボロ。。。
おかげで、全て僕が1からやり直すことになって、、、思い出しただけで腹が立つ。僕からしてみれば、解らないことは多いハズなのだ。
自分でやっていて、仕様があやふやな点がいくつもあって、
確かに新人がいきなり出来る様な物では無かったのだが。何も知らない人に、何が解らない?と聞いても仕方が無い事がわかった。
僕の予想
きっと、その新人君は、「何が解らないか解らない。」状態だったんだと思う。
確かにプログラムを勉強すると、何が解らないのか解らない状態に陥る。
で、「解らない所がない」イコール「大丈夫」になってしまったのだと思う。でも、当然自信を持っている訳じゃないから、
「本当に大丈夫なんだね?」って言うと曖昧な返事をするし、
ちょっと「ここ悪いんじゃない?」って言うと、「修正します。」としか返ってこない。僕はそういうことが言いたい訳じゃないんだけどね。
「直せ!」って言うのは簡単だけど、僕が気に入る様に書けと言う訳じゃ無くて、
「僕の指摘する点に付いて、何が悪いか考えて、それに気が付く様になって欲しい。」のだ。確かに、僕の言っている事は間違えているかも知れない。絶対とは言い切れない。
だけど、それ以上に良い方法が無ければ、とりあえず同じ様にするか、
もしくは、僕と違う方法を採って、後から気が付いてくれれば良い。
僕よりも良い方法を見つけたのなら、それに付いて議論が出来る程の確証を得て欲しい。
常にそう思いながら、僕は教えるのだが。。。やっと本題
無知の知。ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉。
自分が勉強をするときは、この言葉を思い出す。「何が解らないか解らない。」
こんな状態になりそうなとき、
まずは、何が解って、何が解らないのかハッキリさせる必要がある。「無知の知」
この言葉を知らない人に、ちょっと説明しよう。
「何も知らないと知ることこそ、真の知を知り得る」
簡単に言うと、自分の知らないことを認識しよう。と言う話。そういえば、諺に似た様な言葉があるな。
「聞くは一瞬の恥。聞かぬは一生の恥。」「無知の知」の言葉の先に
どんな天才だって、知らないことは知らない。
自分一人で調べがつくのなら、人に聞く機会は少ないだろうが、
大抵は、知らない事の方が多い。まずは自分が知らないことを認識すること。
知らないことが解れば、調べるなり、人に聞くなり、解決策はあるものだ。勉強をしようと思うことは、純粋に素晴らしいことだと思う。
知らないことを人に聞かないよりも、知っているふりをする方が格好悪い。みんなもう少し謙虚になるべきなのだ。
と、人に言いながら、自分に言い聞かせる。。。余談
冒頭に出てきた新人君は辞めました。
ついでに僕も辞めたから、それはもうどうでも良いことなんだけど、
彼のその後が気になるね。
その後、社会人としてやっていけているのかどうか。。。無知の知の話をしたのは、最近勉強続きだから。
今までの経験があまり通用しないところで勉強をしながら仕事をしている。
知らないことを目の前に、すこし初心に還ったのだ。教える立場から教わる立場になって、
初めは少し戸惑った。
何が解らないのか解らず、何をどう聞いて良いのかも解らない状態。
自分が新人だった頃を思いだし、一から始める気持ちで勉強をしているのだ。