『沈黙は時として、雄弁より多くを語る』


辛くはないか?
いったいどれだけの人が、
言い切れぬ想いをその胸に秘めているのだろう。
“いつか時が解決する”まで?
その想いは秘められたままなのだろうか。
兄弟じゃない。友達じゃない。同僚じゃない。
知り合いという言葉にすら当て嵌まらないかもしれない。
それなのに、『陣内大蔵』は魂の一番近くに存在する。

取り乱す事は出来ない。
日常を生活していかなくてはならないから。
泣きわめく事も出来ない。
そんな単純なものではないから。

肯定項目を数え、
否定項目を消す。
それでも、依然存在し続ける欠落感。

何を無くしたというのだ?
何を持っていたというのだ?
何が変わるというのだ?
何が痛むというのだ?
 :
いったい、何を望むというのか。
黙する。
無くしたと思っているのは自分自身だ。
欠落感に苛まされても、
それは結局自分自身の問題に過ぎない。
ただ黙する。
方策がないのだ。
日常に忙殺されて、その記憶が擦り切れゆくまで。


『自分にとって“陣内大蔵”とはなんだったのか』



 

Bottom Line