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ケータイと医療機器  


 『携帯電話のご使用はご遠慮下さい。混雑時は電源をお切り下さるようお願いします。』
 電車やバスに乗っていると、最近よく耳にするアナウンス。また、1両おきに“なるべくご遠慮下さい”と“電源をお切り下さい”という車両を設けている電車。
 マナーを考慮しても“何かやり過ぎなんじゃないの〜”とか“何が『イリョウキキ』に影響を与えたりしているんだろう?”と、思った方もいるのでは?
 何がケータイをワルモノにしているのでしょうか。

 例えばテレビを見ている時に、外を原チャリが通ったり近くでドライヤーを使ったりすると、テレビ画面がチラチラした覚えはありませんか?
 これは“ノイズが入った”と呼ばれる現象で、原チャリやドライヤーが発生する断続的な電磁波が画像に影響を与えた結果といえます。(注:電磁波が目に見える分りやすい例であって、電子機器に影響を及ぼす現象とはちょっと違いますが。)
 コンピュータは大雑把に言ってしまえば、電気が流れている(1)と流れていない(0)状態によってその動きを決めています。
 なので万が一このノイズをコンピュータが拾ってしまうと、余計な命令を出したり入っていないスイッチが入ったりと、誤動作を引き起こす結果になりかねません。
 人がいないのに開閉する自動ドアや、スイッチを入れてもいないのに点いてしまう電灯やテレビ等は、そのほとんどが強い違法電波(許可を取らずに使用する無線通信等の電波:ケータイの電波よりかなり強い)によって起こるといわれています。

 医療用電子機器も、もちろんある程度のノイズ防止処理は行っています。また、万が一誤動作が発生しても、すぐにその動作を修正するような機能が組み込まれていると聞きます。しかし医療用機器は直接人の命を預かるものです。狂わないに越したことはありません。
 携帯やPHSは、『電話を掛ける時』と『電話が掛かってきた時』に一番強い電磁波が発生します。医療用電子機器が多い病院内では、一般の人はケータイの電源を切るように心がけましょう。

 よく言われている『心臓ペースメーカー』について考えてみましょう。
 2000年現在日本にペースメーカーを装着している人は約40万人。年間で2万5000人位ずつ増えているそうです。現在のペースメーカーは20〜60gと小さいもので、右鎖骨付近に収められるのが普通なようです。
 『心臓ペースメーカーと携帯電話について』のガイドラインに目を通すと、『22cm』という単位が目に付きます。これは、“この距離で電磁波を受けるとペースメーカーの動作に影響を与える可能性がある”と言われている距離です。
 男の人は背広の内ポケットに携帯を入れている場合が多く、この位置は心臓ペースメーカーに影響を与える範囲内になります。
 電車内が空いている時は人との間隔が広いのでこの距離は遠くなりますが、人と人との距離が近くなる混雑時は『電源をお切り下さいますようお願いします』になるわけです。

 さて、最近よく電車内でメールを読んだり打ったりしている人を見かけます。
 もちろんメールを打つだけならまだ問題はないのですが、メールを『送受信する時』も電話と同じく強い電磁波が発生します。
 iモード等のケータイ系インターネットも盛んですが、これも『通信を開始する時』に強い電磁波が発生します。何気なく電車内で“ネットで時刻表をチェックしよう”という時も電磁波は発生していることになります。

 最近、『話すための機器』よりも『読むための機器』になりつつあるケータイですが、“車内ではおしゃべりしない”というマナー方面からはもとより、メールやネットを使用する時も“医療機器に影響を与える可能性がある”ということを心の隅にでも留めておいて下さい。 (2000.11.25)



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