腎臓病(入院編)
その4:トイレの話


 腎臓といえば尿(糖尿病もか?)、という訳で、ちょっとアレな話しですが、入院中の排尿はすべて検査対象になります。
 どういうことかというと、腎臓疾患で入院する患者さんにはもれなく計量カップが手渡され、尿はすべてこのカップで受けて、フロアの端っこにあるトイレの前に据えてある洗濯機ような機械に入れるよう指示があります。
 この機械はウロ・エースといって尿の比重と量を計る装置で、該当する患者さんの名前が登録してあり、もよおした時はすかさずフロアの端っこまで走りこみ、トイレ前に掛けてある自分の名前の付いたカップを引っ掴んでその中に用を足し、ほっと一息つく間もなく、くだんの機械に中身を空け、ボタンを押すと、計測が始まり、数十秒の後に検査を記録した感熱紙がガーっと出てくる・・という仕組みになっているんです。
 ここで、ひとつふたつ問題があります。
 まずひとつは、各部屋にトイレが付いているにも関わらず、外付けのトイレに行かなければならないということです。
これは甚だつらいことで、たとえばこれは、急にもよおした時などに、僅か数歩でたどり着く室内トイレのドアを横目に、なかなかたどり着けないイスカンダルの如き(古いか)遥か彼方、病棟フロアの端の端にある外付けトイレまで、放射能除去装置を取りに・・じゃなかった、採尿をしに行かなければならんということです。
 幸いにして間に合わなかったことは一度もありませんが、そもそも腎臓病患者が尿意を我慢するのは良くないんじゃないかと思うのですけどね。
 もうひとつは、採尿カップの大きさなんですが、水分を多く摂った方が良いと言われていた私や、同室の同じIgAで入院されていた方などは、時に足りなくなることがありました。(確かカップの大きさは500ml)
 しょうがないので、途中で止め、一杯目を投入して、再度トイレに戻って2杯目を採取、なんてことが頻繁にありました。ちなみに、最高では1リットルをちょっと切る位まで出たことがあったと思います。
 悲惨なのは、こんな風にちょうど一杯目で止めての計量中に、男女それぞれ一つしかないトイレに人が入ってしまうことです。
このトイレは患者さんの他にお見舞いに来た人たちも使うし、今、入らんとしている人に、「今まだ使用中だから」と声をかけるのもなんか気が引けるし、仮に声をかけられたとしても長々説明して変な顔されるくらいなら、つらくても待ってたほうがまだましというものです(笑)。
 さて、こんなに苦労している採尿ですが、これを指標に先生から指導を受けたということは一度もありません。(記憶の限りは)
記録で出てくるのも、量と比重だけで、蛋白量がわかるわけでもなければ、潜血反応がでるわけでもありません。
看護師(婦)さんに話を伺った時も、確か記録をとっているからという他には、明確なお答えはいただけなかったような気がします。
 ってことは、しなくても良いような気もしますが、ものが腎臓だけにやっぱり気になるし、まじめに計量しておりました。
しかも、入院中の全記録すべてを、持ち込んだパソコンに打ち込んでデータ化し、一応表にしてみたり、グラフにしてみたりして、時間や比重などの相関関係を調べてみましたが、寝起きと寝る前にトイレに行く回数は多いなぁとか、この日は水たくさん飲んだなぁとか、そんなことが判ったくらいではありました。

ちなみに、上のどうしようもなく下手な絵をクリックすると、フクダ電子さんという検尿の機械を作成している会社さんのHPに飛びます。