ユメちゃん

うにゅー
まだユメちゃんのことを知らない人がいるにょー?
ちょっとだけ教えてあげるにょよ

ある秋の夕暮れ時のことだったにょよ、かわいいユメちゃんは道の真ん中で動けなくなっていたにょよ
車にはねられたのかオートバイだったのか、いまとなっては記憶にないにょよ

すぐ傍らではユメちゃんが倒れている真ん前のお家の人が、ユメちゃんが車に轢かれないように車を誘導してくれていたにょよ
あのお家の人がいなかったら今ごろユメちゃんは “猫せんべい” になって天国で暮らしているところだったにょよ
とっても怖かったにょよ、いくら感謝しても感謝しきれないにょよ

その時、通りかかった誰かがそのお家の人と話をし始めたにょよ、ユメちゃんは怖くてそれどころじゃなかったにょよ
ユメちゃんは突然抱えあげられたにょよ、怖くて抵抗したけど体が思うように動かなかったにょよ
そいつの顔面にユメちゃんパンチを炸裂させたはずにゃにょよ、でも虚しい抵抗だったにょよ
そのまま車に乗せられてしまったにょよ、心臓はバクバクでそのまま死んでしまうかと思ったにょよ

車は一度どこかで停まったような気がしたにょよ、でもユメちゃんは心臓バクバクで頭の中は真っ白で
逃げることもできなかったにょよ
そしたら今度は檻の付いた箱の中に入れられてしまったにょよ、ユメちゃん大ピンチにゃにょよ

またまた車が走り出してユメちゃんは長い長い時間車の中で揺られていたにょよ
お外ではゴーゴーとかガーガーとかブーブーとか恐ろしい音が鳴り響いていたにょよ
ユメちゃんは一生懸命逃げようとして身を隠していたにょよ
次に車が停まったら今度は男の人が出てきて、ユメちゃんの体を押したり引っ張ったりして、
あんなこととかこんなこととかされたにょよ

トドメは二度も大きな針を刺されて、ユメちゃんはもう抵抗する気力も体力もなくなっていたにょよ
ユメちゃんはもうワケがわからなくなったまま固まっていると、また車に乗せられたにょよ
次に車が停まるとユメちゃんは檻に入れられたまま、にゃんこがたくさん集会してるところへ入っていったにょよ
ユメちゃんはそのまま集会所とは別のところに入っていったにょよ、怖いから檻から出ないにょよ

ユメちゃんの運命が変ったある秋の夕暮れのお話だったにょよ