親猫印が語るにゃんこの話


事故に遭ってしまった猫さん

2007年10月20日
事故に遭って道の真ん中で動けなくなっている猫を前にして、「今度こそ助けなくては!」と決意させた一匹の猫がいた。


時は少し遡る…


南阪奈道路が出来て、二上山方面へ行くには重宝していた。
そのうちに道の駅が出来て、山への行き帰りには休憩ポイント兼買物ポイントとして利用するようになった。

道の駅の工事が進む頃、山の棲み処を追われたのだろうか狸がよく轢かれて死んでいた。
道の駅が出来ると、猫が自動車事故の犠牲になっていた。
いままでと環境が変わって事故に遭ったのか、
道の駅に捨てられてパニックになって道に飛び出したものか、見るたびに胸が痛んだ。


そんなある日の夕方、信号待ちの車列が続くラッシュの時間帯。
車が止まった少し先に猫がいた。


下半身は完全に潰されて道路に張り付いていた。
出血はまったくなかった、トラックのような重量級に一瞬で潰されたのだろうか。

その猫と目が合った。
「どうしたの?なにがあったの?動けないの…」
困っていた。
瞳に絶望の色が見えた。
前脚を動かして前に進もうとしていたが、体は動かなくなっていた。
いままでに見たこともない、とても悲しい目をしていた。

車から降りてた助けたかった。
でも、ラッシュ時なのとまだ周囲は工事中だったので車を停める場所もなかった。

もう助からないかも、病院へ連れて行っても安楽死しか道はないかも知れない。
すぐ側を車が通る中で恐怖のまま死を待つよりなんとかしてあげたかったが叶わなかった。
なにもしてあげられなくて後悔の念だけが残った。


いまもその場所を通るたびにその猫さんの事を思い出す。
あの時の悲しい眼差しは生涯忘れることはないだろう。


その道を通っての帰り道だった。
道の真ん中で動けなくなった猫がいた。

だから…
今度こそは、"道に張り付いていても引きはがして助けてやる" と思ったのだった。


事故にゃんこ・その1