一部の評論家は、この国を「平和ボケ」と罵ります。
まるで日本が戦争に巻き込まれないとイビツな国になると言わんばかりに。
とりあえず、今の日本は、どこの国とも戦争をしていません。
では、今の日本は、平和でしょうか？
手がかかる生徒が平気で放り出され、
エリートをもっとエリートにしていくカリキュラム。
中学生や高校生が学校の内外で暴力をはたらく。
簡単にキレて、人殺しをする。
先生たちが生徒の意見も聞かずに体罰を加える。
そんな学校が、平和でしょうか？
会社の言う通りに働いていたら、死んでしまう。
仕事から帰ったら、疲れきって寝るだけ。
会社の一方的な都合で、簡単に転勤になり、クビになる。
そんな会社が、平和でしょうか？
寝たきりになっても、ヘルパーをおいそれと呼べない。
障害者が独立して生活できるチャンスが少ない。
独立したくても、まともな仕事にありつけない。
そんな福祉が、平和でしょうか？
奇形児が相次ぐベトナムと同レベルのダイオキシン。
一部では既にベトナム並の奇形児出生率だとか。
銅像や大理石を溶かす雨が降り、
アレルギー疾患がはびこる。
なのに環境基準はどれもこれも、
人間にとって安全なレベルではなく、
工場が楽に守れるレベルのものばかり。
そんな環境が、平和でしょうか？
病気なのに、医者にかかれない。
手術が必要なのに、手術ができない。
看護婦が足りないのに、看護婦をリストラする。
金がないから、払えないから、それだけの理由で。
そんな医療が、平和でしょうか？
災害で家や仕事を失った人々のためには
「私有財産制だ」と補助金を出し渋り、
孤独死へと追いやる。
その一方で、使い道が無い港や堰やダムごとに
何百人もの人が一生遊んで暮らせるだけの
莫大な税金をつぎ込む。
そんな財政が、平和でしょうか？
各地に、外国の軍隊が臨戦態勢で居座る。
土地代、施設費用、ぜんぶ日本持ち。
その一方で、たかだか月数万円の家賃が払えずに
ホームレスになっていく人々がいる。
そんな国が、平和でしょうか？
外国と戦争をしていない、国が分裂して殺しあったりしていない、
それだけでは、私達は平和に暮らせません。
しかし、それ無くしては、真に平和に生きるためへの一歩すら
私達は踏み出せないのです。
全ての人々が人間らしく生きていけてこそ、
世の中は本当の意味で平和になるのです。
「平和ボケ」論者は、これらの現実を真面目に考えたことがあるのでしょうか？
これらの問題に真面目に答えたことがあるのでしょうか？