愛するということについてのノート  #8
  
〜届き得ぬ子守唄〜

Napraforgo

 

俺が思う貴女は

明日迎える出来事に膨らんだ胸のまま

俺の思いを知らぬまま

今夜も安らかに眠るだろう

 

貴女を思う俺は

情熱に脈を掻き乱され

思案に精神を揺さぶられ

今夜もたぶん寝つけないだろう

 

それでも俺は

貴女の安眠を祈ろう

たとえ俺が共有しえない眠りであろうと

俺はそれを祈ろう

貴女が俺を望むとも望まぬともわからぬ今

俺の内なるこの騒擾を

貴女に飛び火させることは

許されない

 

貴女の眠りに

やわらかな平安を

貴女の朝に

きよらかな陽光を

貴女の頬に

あたたかな体温を

 

おやすみなさい

 


初出;  本ページ


解説;

 昔の、不器用で苦しい片思いばかりしていた頃のことを久々に思い出し、書いてみました。

(06/12/2001) 


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