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センチメンタルグラフィティ・その3

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(連休以降の戦い‥‥)

5月10日

またまた夜行列車で旅立ち、名古屋に向かう。駅前の地下街に降り立つと、まだ6時というのに偶然にもるりかに遭遇した。活発な子だな。そのまま公園に遊びに行ったが、そこで昔のるりかを思い出したりした。今も変わっていないな。

5月11日

戦略的には名古屋からは横浜、金沢、京都、大阪と選択肢があったが、京都に向かうことにした。

市内をうろついていると、幸運にも若菜に会うことが出来た。いろいろとお爺様に管理されていて大変そうだと思ったけど、一緒に過ごそうといったらあっさりとOKしてくれた。でも少ししたら迎えの車が来てしまったので残念。

5月17日

ここのところ出歩きすぎたので、この土日はおとなしく家にいることにする。でもバイトはきちんと行かねば。軍資金はこれからいくらでも必要になるし。しばらくいなかったので留守電にメッセージがたくさん入っていた。全部聞いていたら3時間くらいたってしまった。

5月31日

朝起きた僕は、トップシークレットの高性能手帳をチェックする。そろそろえみるに会いに行った方がいいかな?青森に足を延ばして妙子にも会ってくれば効率的だな。我ながらなかなかしたたかだ。青森には一応電話しておこう。

とりあえず仙台に着いた。まーくんのところに行けばいるんじゃないかな?「あ、いたいた」と思った瞬間、「きゃー、ダーリン」と言って抱きつかれた。

この子、本当は寂しがりやなのかもしれないな。

6月1日

駅前のリビナで待ち合わせている。この前は気が付かなかったけど、このショッピングセンター、よく見たらラビナという名前じゃないか。まあいいや。

今日は妙子につきあって買い物などしてみる。ちょっと都会コンプレックスのある妙子は背伸びして洋服を選ぼうとしていたが、僕は「今のままの妙子がいいよ」と教えてあげた。ちょっとクサい台詞だったかな?

結局、また夕食をごちそうになってしまった。前よりもまた上手くなったんじゃないかな、妙子の手料理は。

6月13日

5月の連休以降は休日がないので、旅費以外にお金のかからない僕は意外とお金を貯めることが出来た。今週末は広島に行ってみようか。でも優が旅に出ていると困るので一応電話だな。

6月14日

優と紙屋町で待ち合わせた。土曜日の繁華街とは、人嫌いの優にしては思い切ったものだ。もっとも、ここは待ち合わせただけで、すぐに僕たちは見晴らしのよい展望台に向かった。そう、優と初めて出会った、星の見える展望台だ。

その晩、あのときの幻想的な風景を思い出しながら広島駅を後にした‥‥。でも行き先は東京じゃなくて高松だったりするんだな。

6月15日

高松にはライオン通りっているのがあるんだ。栗林公園や屋島は有名だけど。朝に着いて、せっかくだからと讃岐うどんを食べた僕は、店を出ると真奈美に出会った。いつものことだけどすごい偶然だ。ひょっとすると偶然じゃないのかも。いつも一人で家にいた真奈美が町中を歩いているとは、少しは心境の変化があったのかな?でも、僕たちは真奈美の希望ですぐに彼女の家の方に向かった。あのときの小鳥を見せてくれるのだそうだ。

ピッチちゃんというその小鳥は元気にしていた。真奈美も元気になっているようで、本当によかった。帰り際、泣かないでね、また来るから。僕にも学校があるんだから‥‥。

6月21日

今日は家にいよう。久しぶりにのんびり出来る。あちこち飛び回って体が鍛えられたせいか、行動力がアップしている気がする。皿洗いを終えて帰ってきても、そんなに疲れを感じなくなった。

今日の留守電は美由紀からだ。手帳をめくってみると、美由紀だけ再会以来会いに行っていない、まずいぞ。東西を結ぶ太平洋ラインから外れているのが弱点だな。早速電話してみよう。明日の10時?それは急すぎるよ。それに10時だと快速夜行で間に合わないじゃないか。それなら28日の13時?よし、この日にしよう。

6月28日

いつものように前日の夜に旅立ち、金沢にやってきた。いきなり買い物につきあわされる。これは何かの策略かなと警戒していたら、案の定、美由紀が昔CDを買っていたのを思い出した。単なる優等生じゃなくて、意外と芸術家肌なんだよね。

6月29日

とりあえず特急に乗って金沢を出発した。車内で手帳にチェックを入れていたら、夏穂とだけまだ昔の想い出に浸っていないことに気が付いた。いや、九州勢もまだか。幸い、この特急は大阪行きだ。

あとは運任せだったけど、時間を少し操って、大阪で無事に夏穂に遭遇できた。もう夕方だったが、ちょうどよかったようだ。夕焼けを見て「きれい‥‥」と言っている夏穂を見ていたら、思い出した、思い出した。夏穂と最初に出会ったのはこんな夕日のきれいな日だったんだ。

7月4日

今週末はどこに行こうかな?しばらく行っていないし、九州あたりが頃合いだろうか?でも土日で九州は大変だな。夜行列車に乗ろう。

7月5日

福岡に着いたら昼近くだった。今日は何となく千恵には会えそうな気がしなかったので、バイトすることにする。運良くイベント警備の仕事にありつけた。しかし、僕は福岡まで来てなにやっているのだろう?

7月6日

今日、千恵に会えなかったら何のために福岡に来たのかわからないので、気合いを入れて町中をうろつく。その根性が天に通じたのか、中州で千恵に会うことが出来た。向こうも驚いていたが、喜んでくれたようだ。さっそく千恵に連れられて山笠祭りに行った。躍動的で気分が高揚してくる。

すっかり祭りを堪能したが、東京に帰る時間だ‥‥。いや、もう今からでは明日の学校には間に合わない。ま、仕方ないか。

7月11日

なんか最近は金曜日に22時にバイトから帰ると、女の子からの留守電ばかり聞いている気がする。今日は真奈美と晶から入っていた。真奈美はともかく、そろそろ晶には会いに行かないとまずいな。

7月12日

朝一番の飛行機で長崎へ向かう予定だったが、また留守電を聞いてしまった。えみると夏穂からだ。相変わらず二人とも元気だな。

危うく飛行機に乗り遅れそうになったが、なんとか長崎へ出発。しかし、こうなるなら先週ちゃんと長崎も押さえておくべきだったな。

「待っててもらえて嬉しいでしょう?」という晶と合流して、オランダ坂などを散歩する。昔通っていた中学が見えてきた。懐かしいな。そう言えば‥‥また回想モードでぼーっとしてしまった。

7月13日

長崎は遠い。そうそうは来られない。ということは、もう一度晶に会ってハート管理をしておく方が得策だろう。そう思って3時間ばかり市内をうろついていたら、運良く晶に会えた。でも最初の一言が「あら、なんであなたが長崎にいるの?」。昨日会ったじゃないか。次の日まだ市内にいてもそんなに不思議じゃないと思うけどなあ。

今日はグラバー園に行った。何気なく石を見ていたら、それがハート石だと教えてくれた。へえ、そういうジンクスがあるんだ。もったいぶっていたけど、僕にはわかってしまったよ。そんな嬉しそうな顔をしてたんじゃね。

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