PAINT GUIDE

ここでは、私がどうやってここの展示作品を塗っているのかを
簡単に紹介します。基本的なペイント知識のまったくない方は
わかりにくいところもあるかもしれません。また、
この塗り方は私流なので、参考程度に見てください。


基礎知識の知りたい方はリンクページにあるFM企画さんのページを
見ていただくといいと思います。

メタルフィギュアはパテなどで作った原型で型を作り、
その型にホワイトメタルと呼ばれる金属を流し込んで
作ります。ですから、型から、はみ出した部分が「バリ」
として、残っています。

最初の段階で、このバリをとってやります。ぼくは田宮の
デザインナイフを使って削り、ヤスリで仕上げます。
そして、表面の酸化皮膜(うっすらと白くなってるやつ)
を真鍮ブラシで磨いてきれいにします。

さらに、金属にいきなり絵の具はのらないので、下地剤を
スプレーで吹いてやります。ちなみに、今回は田宮の
スーパーサーフェイサー(カンスプレー)を吹きました。
いつもなら、更に発色をよくするため、マットホワイトを
スプレーするのですが、今回は暗い色で塗ろうと思ったので
サーフェイサーの上からそのまま塗っていきました。

バリ取りのとき注意するのは、少し削りすぎかと思うくらいきっちりとバリを取ることです。初心者は怖がって
バリを取りきれないことがおおく、そのまま塗るととてもかっこ悪いです。削りすぎても、パテで治りますから、
しっかりバリ取りしましょう。


塗装に入ります。いつもなら、一番苦手なところを私は塗り始め、仕上げてしまいます(だいたい顔)。というのは
苦手なところを後に残すと、失敗した時、今まで塗ったところが全部パーになってしまうからです。

しかし、今回はちょっと勝手が違います。というのはこのフィギュア
どうやって型から抜いたんだ?というくらいモールド(表面の彫刻
のこと)が深く、筆が届きにくいところがたくさんあるからです。

ですから、まず塗りにくいところの基本色を塗ってしまいました。
このとき、モールドの奥の筆の届きにくいところまでしっかり
塗ります。そうすれば、顔は仕上がったけどローブがぬれない
なんてことがなくなります。

ここで大事なのはモールドどおり塗れなくてもいいのでしっかり
奥まで塗って、白いところをなくす事。色の境界線をシャープに
塗りわけておく事です。モールドにとらわれず、少し大胆に自分で
線を書くつもりで塗っておくと後できれいに見えますし、塗りも
楽になります。

ここで、簡単に使用塗料とふでを説明します。

塗料はシタデル社のシタデルカラーと画材店で扱っているアクリル絵の具、カラーインクを使っています。
筆はこれまた画材店にあるウインザー&ニュートン社の水彩用セーブル(馬の尻尾の毛で出来てる筆)
シリーズ7の「00」(太さを表します)を使ってます。
前は安い筆を使ってたのですが(300円くらいの水彩用筆)、穂先がすぐだめになってしまうので高くても
いい筆を買うことをお勧めします。(ちなみにシリーズ7は1本1200円くらい)


メタルフィギュアは大変小さいので(25ミリサイズ)、塗料をそのまま塗ってもどうもぱっとしません。そこで
服や顔に陰などをつけて立体感を出してやります。

さきほど、塗った基本色に影をつけてやります。
ローブの場合、基本色は「ミッドナイトブルー」で、服のしわなどの部分に黒をたしたものを水で薄めて流しました。
腕などの茶色の部分は基本「ローシェンナ」に「バーントシェンナインク+バーントシェンナ絵の具」を
流してあります。(ウォッシング技法といいます)

顔と、鎧などは黒っぽくしたかったため、基本色を暗めにして(顔「ダークフレッシュ+黒」、鎧「黒」です)
ウォッシングはしませんでした。

カラーインクを流すときは注意が必要です。流したところにつやが出てしまうので、私は最近では絵の具を
少し混ぜて流すようにしています。


次に光のあたるところに明るい色を少しずつ乗せていきます。

いきなり明るい色を塗ると前の色との差が大きすぎて不自然になってしまうので、最初は目で確認できる
ぎりぎり明るいくらいの色をモールドの凸部に塗っていきます。そして、次にそれより少し明るい色を
その上にのせます。
ちょうど山の等高線のように徐々に上に行くにしたがって明るい色の面積を小さく塗ります。

そのとき、アクリル系の塗料を使うのに大事なのは、絵の具の溶き具合です。

左は同じシタデルカラーの「ミッドナイトブルー」です。右がビンのままで
順に水で溶いていったものです。

基本色はビンのままのとき具合でOKです。が、この溶き具合で明るい
色を重ねる時に塗ってしまってはだめです。色がべったりついてしまっては
自然な陰影にならないからです。

かといって、いちばん左のように溶きすぎもよくありません。
影に絵の具を流すときならいいのですが、明るい色を重ねていくときは
ここまで薄いとむらになってしまったり、下地の色に負けてしまって
色がしっかりつきません。真中のように色がしっかり出て、しかも下地の色が若干透けるのがベストです。

これは、アクリル系塗料の特徴で、濃く溶くと油絵のようにしっかり色が出て、薄く溶くと水彩のように
透明感が出るのです。その、一番いいところを見切って使うのです。
これは、経験で憶えていくしかありません。


ちょっとわかりにくいかもしれませんが、ローブや服に陰影
(クラデーション)をつけたところです。

さっき山の等高線のようにといいましたが、明るい色になるに
つれてローブの端の方や頂上だけに明るい色が乗っているのが
わかると思います。この色を置く場所をうまくやるだけで、
印象がだいぶ違います。(ただ、漠然とおいてはだめだという
事です。)

だいたいの色に陰影をつけたら今回は模様を書いてみようと
思います。


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