モンテフリーク湯沢日記(Part7)

対水戸ホーリーホック戦

我がモンテディオはJFL第16節の16日、ホームの山形市陸上競技場(=市陸)に水戸を迎えた。お盆休みで帰省中だった為、勿論ライヴで観戦してまいりました。

東北・北陸地方が梅雨明けが判断出来ないという前代未聞の状況の中、前日からの雨が午前中に止んだとは言え、水はけの悪い市陸のピッチは見た目にはわかりずらいが、大部水を含んでいたようだった。モンテにとって、雨の市陸でのゲームは、サポーター・選手ともに”悪い予感”がすることこの上ないのである。今季好調のモンテにあって、唯一の敗戦(B仙台戦)もGWに雨で水を含んだ状態でのゲームであり、細かいパス交換からのサイド攻撃を得意とする持ち味が殺されての敗戦だった。

この日の有料入場者数は2,639人。腰の重い(?)山形県人も、快進撃の続くモンテをテレビや新聞等が取り上げる機会が増えるにつれ、チームへの関心度が高まりつつあり、前節の新潟戦(1−0で勝利=県陸)では日曜のナイターという悪条件にも係わらず5,000人近くの観客が入った。だから今回の水戸戦も同様に入るんじゃないかとも思われたが、この日はほぼ同時刻にJリーグオールスター戦が生中継されていた上、お盆休みの最終日であり、しかも前日から雨が降っていたことを考えると、観客の入りが今一つだったのも仕方がないだろう。(それだけに、この日の観客はかなり熱心な人達とも言える)

対戦相手の水戸は、”弱い”あるいは”お客さん”的なイメージもあるが、どうしてどうして、中盤のチェックも早いし、きちんと攻撃を組み立ててくる。(水戸とは過去に3戦しており、いずれもモンテが完封勝ちしている)

モンテの布陣は以下の通り。前節の新潟戦で攻撃の中心であるMFマルキーニョが怪我をし、この日はベンチにも入っていなかった。

森下

佐藤由

塩川       庄司

高橋健      中森

シジク

本街   佐藤淳   若松

鈴木克

序盤は水戸のペース。モンテの選手は前述の”市陸の怖さ”を意識しているのか、積極性に欠け全般に動きが鈍い。また、水を含んだピッチの状態と水戸のチェックが早く的確である為、パスやトラップが微妙にズレ、パスが3本・4本とは繋がらず、中盤でボールを奪われしばしば逆襲を食らう。ピッチが滑りやすく、両チームともキック時に転ぶ選手が続出。(特にGK鈴木がバックパスを蹴り返そうとしてこけた時はひやっとした)

そして前半26分、それまでも動きが鋭く際立っていた水戸の38番のFW(竹村)に逆襲から1点を献上してしまう。DFに体を寄せられても体勢を崩さず、シュートもちゃんとミートしており、ただ者ではないなと思った。

W杯期間の中断後のモンテは守備が安定し、5試合で1失点だったため、失点してしまったこと自体がちょっとショックではあったが、相手は水戸だし(選手も含め、相手をなめたこの考えがまずかった)、この時点では1点位なら十分にひっくり返せるだろうと俺自身楽観視していた。

ところがどうしたことだろう。ペースは徐々にモンテに傾くものの、一向に本来のサッカーが出来ない。単純なパスミスも多いし、全般的なバランスに欠け、攻守とも機能していない感じ。途中、何本か惜しいシュートもあったが、1点がなかなか取れない。(面白いと思ったのは相手PA右外で得た間接FK。ボール付近に2人立ち、由紀彦がちょこんと右に出して、もう1人がインサイドで戻して由紀彦がシュートかと思いきやスルーし、PA外中央にいた高橋が左足で鋭いシュート。ボールはゴール右30cmぐらいを鋭く通り過ぎて行ったが、一連の流れが非常に奇麗に決まってたし、セットプレーも多彩だなと思った)

そして39分、逆襲から右サイドを突破され、ゴールの右の角度のないところからセンタリングかと思いきや、シュート。ネットが揺れたが、ゴールラインを割りGKなのかと思ったが、水戸イレブンが喜んでいる。まさかと思ったが、シュートがゴールを割っていた・・・。またしても38番である。殆ど角度のない所からのシュート、ホントにこいつはただ者ではない。1点ならまだしも、2点差は(特にこの日のモンテには)かなり厳しいと思われ、観客席も静まり返ってしまった。

そして前半終了。ハーフタイム、山形北高(=女子校)のバトン部員によるエキシビジョンもあり、それ自体華やかではあったが、0−2の逆境のため気分的には重く沈んだままだった。

後半に向けて、モンテイレブンは早々に現れ円陣を組む。この辺に選手の意気込みを感じた。石崎監督は中森を真下に、塩川を太田に、そして森下を飯塚に次々と代えた。(昨季のモンテは、庄司と太田に救われた試合が多かったが、ポジション争いが激しさを増した今季、太田は一軍半に成り下がっていた。しかしこの時投入された太田からやる気と気迫が十分に伝わってきた)結局、この交代が当たり、モンテは攻守のバランスが良くなり、怒涛の攻撃を見せる。(またしても石崎マジックである!)
10分、ゴール前の混戦からシジクレイが押し込み追撃の1点。観客席は歓喜し、総立ちとなった。俺も含め、それまで手拍子ぐらいしかしなかった一般の観客も、サポーターと共に「シジクレイ、シジクレイ、シジクレイ・・・」の大声援。この得点、そして観戦者が一体となった応援に、俺は鳥肌が立ってしまった。

その1・2分後、右サイドの突破から、GKとDFラインの間にグラウンダーの早いラストパスが通り、これにゴール中央と左に2人が走り込み”これは絶対に入った”と思ったが、FW庄司のシュートはバーの上を越えていった。ゴール前2・3mから外すか〜!と思ったが、スライディングで合わせようとした庄司は、ぎりぎりのところでやっと足が届いたという感じで、シュートをコントロールするまでには至らなかったのだろう。

その後も、前半とは別チームのようにアグレッシブな攻撃サッカーを展開する。早いパス展開と動きの良さで、攻守に水戸を圧倒するが、なかなか同点弾が生まれない。そんな中、鳩が飛んできたなと思いきやこれが鴨!皆仰天したがこの鴨は市陸を1周半程低空飛行しどこかに飛び去ってしまった。

27分、地元出身のDF佐藤淳がハーフェイライン付近からドリブルで上がり、サイドに開いたFWにDFが連られ真ん中にぽっかりと空いたスペースに切り込み、シュートを打つフェイントモーションで1人抜き、もう一人がつめてくる前に実に気持ちの込もった、しかしビューティフルなレインボーシュート!ボールはゴール右隅のサイドネットに奇麗に吸い込まれた。(翌々日のニッカンの記事に使われた写真はこのシュート時の写真。淳司が武士の顔に見え、気迫の一発だったことが伝わる写真である)

この同点弾に観客席はまたも総立ち!シジクレイのシュートも嬉しかったが、DF佐藤淳の”絶対に勝つ”という気持ちが込められた気迫のゴールにまたもや鳥肌!(俺なんて涙が出そうになっちゃったもんね)一般客、モンテサポが一体となった”淳司”コール。(凄い大声援!しかも彼にとってはJFL5年目で発ゴール!)その後もしばらく拍手が止まらなかった。(ホント、ここまで盛り上がり、また鳥肌が立ったのは初めてだ)

その後も攻撃の手を休めないモンテディオの大逆転の3点目は35分。佐藤淳の浮き玉のパスが左のオープンペースに上がった太田の前方に出て、出てきたGKと交錯しながらも、ほんの一瞬早かった太田の放ったループシュートが鮮やかにゴールネットを揺らした。これで3−2、2点差からの大逆転ゴールである。三度歓喜に沸く観客席。頭を抱える相手GK。モンテが2点差をひっくり返したのは初めて見た気がする。(先程の鴨はこの得点後も登場!またもや1周して観衆の注目を集めた=モンテHPでは”勝利の怪鳥”とか表現して、MVP(鳥だからMVBか?)にも選ばれてたみたい)

その後も惜しいシュートチャンスもあったが、引いて守備固めし、3−2でゲーム終了。世紀の(?)大逆転劇と相成った訳である。(2年前の秋、モンテ・・・前身のNEC時代・・・が、ホーム県陸で強豪東京ガス相手に2−0でリードし、”今日は勝てる”と思ったら後半30分を過ぎてからの6分間で3失点。信じられない展開で2−3で逆転負けを喫した試合を思い出した。水戸にとっての現在のモンテは、当時のモンテにとっての東京ガスと同様に手強い相手であり、もう少しのところで大金星を逃した水戸の選手&サポはかなり悔しかったと思う。判る判るその気持ち)

戦前の予想では、2−0か3−0ぐらいで楽勝だろうとも思った。しかし、0−2の逆境から逆転したこの日の勝利は、選手に試練とそれを乗り越える自信を与え、そういう意味で大きな大きな一勝だったと思う。(勿論我々観客にはこの上ない感動とサッカーの面白さ・怖さを味わったけどね)

試合後、石崎監督、得点者のシジクレイ・太田・佐藤淳がインタビューを受け、前半の反省、そして逆転で勝てた喜び、サポーターの声援が自分達の力になっているといった事等を話してた。(シジクレイは通訳なしで大丈夫かと思ったが・・・前はアンジェロがいた・・・「ガンバリマス、コレカラモ オウエンオネガイシマース」とか言って、悪戦苦闘しながらも何とか受け答え出来た様子。何だか面白おかしかったけどスタンドからは笑いと大きな拍手が起きてた)

試合前と試合後、水戸サポとモンテサポが互いにエール交換をしていたが、特に試合後は一般客も含めてのエール交換となり、勝負とはいえ、勝者も敗者も互いの健闘を称えるというスポーツの持つ素晴らしい一面も垣間見られ、非常に清々しかった。(同じ東北のガラの悪い某チームとは大違いだね)

モンテは現在首位(しかも16節で15勝しての独走体勢!)であり、今後は中下位も含め、どのチームも”食ってやろう””土をつけてやろう”と全力でかかって来ることが予想されるため、一戦たりとも気が抜けない。そのモンテとて、飛びぬけた能力の選手は皆無で、(日本代表と似てるが)組織プレーで対抗しているのであり、例え相手が学生である国士大とて、いつ足元を掬われるか判らない。(国士大は年齢的にも同じくらい・・・モンテも若い選手多いからね・・・で、しかも部員が180人以上もいるというからそれはそれで凄いと思うけどね)

今回は後季の緒戦とは言え、15節と1週間しか間がなく、また、16節からは3週間で5試合と過密なスケジュールとなっており、移動も含め選手の疲労もピークとなり、長いリーグの中でも一つの山場となるだろうが、上位との直接対決は9月下旬以降になるため、それまでは取りこぼしのないよう何とか踏ん張って欲しいものである。

17節は20日(木)、市陸に大宮を迎える。
そして23日(日)の18節は、適地仙台スタジアムへ乗り込み”憎っくき”B仙台との対戦となるが、勿論ちんちんにやっつける予定である。両チームにとって、ある意味で最も盛り上がるこの一戦。(両サポが仲悪いからね)一人でも多くの人に見てもらいたいものである。(仙台放送では、深夜の1時頃から録画放送もするようです)