2001.04.16 14時37分
S.本田さん・・・逝く!!!

この記事は、本田さんへの哀悼と共に、もっとも身近な医者の不正に対しての告発です。

本間です。

こんばんは(ML掲載日 2001.04.19 21:44 発言)

・・・S.本田さんの葬儀(福島県郡山市)に出席してきました。
お通夜(18日)と告別式(19日)に出させていただきました。

お通夜では、奥様、お母様、弟さん、妹さん等と共に家族控え室で故人を偲びました。

本田さんは、4月16日午後2時37分死亡したそうです。
享年35歳。
死亡原因は、「急性副腎不全」ということだそうです。(医者が言うには・・・)

この「急性副腎不全」が起きる原因には、過度なストレスの場合等があるそうです。

本田さんは自動車教習場の教官をしているときに、夜遅く生徒の送迎バスで低血糖による交通事故(対物物損事故)を起こし、その教習場での教官としての立場上大変居づらくなり退職しました。

しかし、この就職難の時代、34歳の年令とDM(若年発症型の1.5型糖尿病でインスリン依存状態を悪化させた糖尿病で高度肥満を持った病態)という障害を持ちながらの就職活動は容易ではありませんでした。
確かにその意味では、この問題だけでも大きなストレスだったと思います。

だが、問題はそれ以前にあるように思います。

前日からのインターネットを終わらし、夜勤の奥様に寝るよう促し、ご自身はお風呂に入りその後早朝2時半頃低血糖昏睡を起こしたそうです。
(深夜まで起きているような生活習慣は改めなければなりません。血糖コントロールを乱す大きな原因の一つです。・・・これも本人には伝えてありました。)
後で気が付いた奥様が本田さんにグルカゴンを打ったそうで、血糖値自体は200〜270mg/dlと回復はしたのですが、しかし、それでも意識は回復せず救急車で病院に行ったそうです。

CTスキャナー等で脳などを調べたのですが問題はなく、しかしそのまま意識を回復するまでには至らず、蘇生しなかったそうです。

その後医者は、死因を調べたいとのことで調べた結果が「急性副腎不全」です。

(インスリンによる低血糖昏睡を正しく認識・治療できない糖尿病専門医も大変多くいます。ご注意下さい!)

自己免疫疾患の1型糖尿病/IDDMは抵抗性や代謝障害などを持たず、発症時から生命維持にインスリンが必須の障害で、抗体を介し抵抗性を持った1.5型糖尿病、重度の代謝障害に至る2型糖尿病の場合は、高血糖を是正し合併症予防のためにインスリンを処方してもらわなければ、最終的には生きてはいけなくなる障害です。

本田さんは、離職後、奥様の健康保険の扶養家族として病院での処方で3割負担約3万円近くの医療費がかかっていたそうです。
就職もなく、安定した収入もなく・・・そんな本田さんに病院は支払いが無ければインスリン等を渡せないといったそうです。
奥様(看護婦さんでもある)は、病院に対し「それでは死ねと言うことか!」と申し出て、借金をしてでも処方箋の薬等を渡してもらったそうです。

(全ての国民の命をあずかる医者や病院が目先の儲けに走り、このような殺人的診療行為(経営)を行う事は保険医・保険診療機関として最低最悪であると思います。)

しかし、インスリンだけを処方されても血糖のコントロールはできず、適切な指導や「必要かつ十分量」の血糖測定紙などの闘病手段が満足に無ければ血糖コントロールは不可能です。

本田さんが通っていたこの病院(福島県において「糖尿病」では超有名な病院)では、強化インスリン療法の1型糖尿病(IDDM)にも血糖測定紙は「必要かつ十分量」を患者にたいし満足に支給していなかったようです。(この病院ではひと月75枚までと制限していました。)

(この病院、並びに医師等は保険診療のルールを無視した犯罪者です。本田さんは、医師・病院ぐるみの犯罪で間接的に殺されてしまったと私は判断します。)

当然、1日4回注射等の強化インスリン療法での血糖自己測定は1日最低4回、プラス、食後2時間並びに、入浴前後、シックデイ、車の運転前・中等でも測定しなければならなく、そのような場合1ヶ月150枚以上200枚前後は最低枚数で、患者の病態に合わせて「必要かつ十分」量を患者に支給するべきものです。
(強化インスリン療法の患者に対しては上限は無いのが保険診療のルールです。このHPを主催している本間は月々400枚支給していただいています。多い方では、500〜600枚/月以上支給されています。医療費負担は保険診療以外にありません。2005年9月現在)

(・・・妊娠を希望しているIDDM、妊娠中のIDDMには、基本的に分食などの指導指示と1日8回以上の血糖自己測定ができる闘病環境でなければ、母体及び胎児に悪影響があります。保険診療のルールでは、患者が「必要かつ十分」量の衛生材料及び血糖測定紙(チップ)を保険診療の中で支給する事になっています。・・・これが出来ない医者・病院は保険診療のルール違反を行っています。)

この地方では超有名な糖尿病専門病院でありながらIDDM特有のブリットル型(不安定型:食べなくても高血糖になったり、食べてから突然低血糖になったりする)を医者は理解しようとせず、闘病手段を制限し頻回に血糖測定しなければならない患者に保険診療のルールを無視し「必要かつ十分量」の闘病手段を与えずに患者を治療・指導するような不正な医師や病院であったことも一つの大きな原因であると思われます。


私が過去に知っている死亡した仲間の情報や、現在も重度な合併症で苦しんでいる仲間の話を聞いても、このようなデタラメな医者や病院による「保険診療のルール違反」で苦しんで亡くなったり、後戻り出来ない合併症に至った仲間が大変多くいます。


本田さんは、このような医者の不正を根本から是正しようと、個人でも多方面から検討していたようです。
そして、今度の私どもの患者会「iddm.21」の発起人総会をきっかけに、しっかりとした組織としてIDDMの闘病環境を整えるよう頑張ろうとしていました。


・・・その矢先の今回の「死亡」と言う悲しい知らせでした。

・・・このような悲しい知らせは、もう二度と繰り返してはなりません。

亡くなった本田さんもそのように思っているはずです。
(亡くなる、つい数日前に電話で、長時間お話をしたばかりです。・・・お腹が空いて夜中に冷蔵庫の前にドカンと座って、お腹をいっぱいにしてから寝たりしていましたので、そのお腹の空く原因を追求するよう促しました。・・・原因には「低血糖」もあるやも知れません。生活習慣に関わる糖尿病悪化で「高血糖」が、さらに血糖値を上げる事を好む病態等によるかも知れません。又は、インスリン過多、又は「過食症」等や中枢神経等の障害に関わっているやも知れない事を、看護師の資格や医療関係の技師の高度な資格を持っていましたので、本田さんには真剣に頻回の血糖測定で確認してから対処するよう促していました・・・。)

医師から正しい治療を受けて、患者自身が正しい知識を持って、国からの適正な支援や策があればこのような大変な障害を持っていても健常者並の人生を全うできると思います。
少なくとも、それぞれのタイプの患者が、正しい診断と、正しい指導と、病態に合わせた「生きる為の基本治療手段」の確立(難病認定、障害者手帳の交付、医療費の無料化・軽減化等々)等は急務と思います。

今回、多くのメッセージをくれた方達・・・
弔電を贈っていただいた皆様・・・
お忙しい中、葬儀に駆けつけてくれた皆様・・・

本当に感謝します。

本田さんの奥さん、本田さんのご家族も皆さんのメッセージに大変感謝しておりました。

私たちは、本田さんが亡くなっても本田さんの遺志を受け継ぐことができます。
本田さんは亡くなりましたが、どうか、現実の悲しみを乗り越えて、これから先の自分たちの問題を前向きに考えて本田さんの遺志を受け継ぎ実現に向けていきたいと考えます。

どうか皆さん、ご協力お願いいたします。

(藁をもつかもうとしている患者に対し、患者会をも操って不正を行っている医者が日本にはいます。高名・有名だからと医者を盲信してはなりません。・・・殺されます。)

稚拙な文を最後まで読んでいただきありがとうございました。

病気や障害で苦しんで助けを求めている、救いを求めている患者を無視し、儲けをむさぼる医療の犯罪行為で死亡者が出た事は許せることではありません。
・・・このような国の不作為や、不正を漫然と行う病院や医師等には必ず鉄槌がくだるでしょう。


p.s.
この文章は、ML[iddm.com]及び 本田さんのHP「IDDMと共に」の掲示板「IDDM自由の広場」に同時掲載します。
(当HPでの文章は、追加分を掲載しています。)

p.s.2
なお、私の署名に書かれている「One for All..., All for One...」は、私が「一人はみんなのために!、みんなは一人のために!」と書いていた当時のHPやメールに対して、本田さんが英文での原文を紹介してくれたコピーです。


ネバー・トゥ・レイト 「今からでも遅くない」

「何をするにも遅すぎることはない。失敗を恐れず、あきらめず、今自分で一番いいと思うことをやればいい・・・」
患者当事者や患者家族は勿論のこと、医師も国(行政・福祉関係者)も糖尿病の病態や治療手段・保護救済についての不作為行為の認識や、一刻も早い正しい理解が必要不可欠です。


2001.04.20

   ※ 本田さんが[iddm-com]でご発言した全文を主宰の本間の意向で公開しています。 ※