新たな難治性疾患克服研究事業(難病)を検討している厚生労働省・健康局・特定疾患対策懇談会(2007.03.12)において
1型糖尿病等の患者数・定義、およびクライテリア(診断基準)等が正式に提示されました。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0312-10f.pdf
疾患名 1型糖尿病
人数 約1万人強
定義・概念 膵β細胞の特異的な破壊に伴いインスリン分泌が枯渇し、著明な高血糖を来たすため、外からのインスリンの補充が必須である。
原因の解明 いくつかの疾病感受性遺伝子(HLAなど)とウィルスなどの環境因子が関与して発症する。抗GAD抗体やインスリン抗体など自己抗体の存在から自己免疫機序が推定されるが、発病の機序は未解明である。
主な症状 高血糖に伴う症状として、口渇、多飲、多尿、体重減少、さらにインスリンを用いた治療をしなければ、意識障害を来たし死に至る。発症が急速で全身状態が重篤な劇症型、内因性インスリンが枯渇し血糖が著しく変動する血糖不安定性を示す例、緩徐に進行する例などがある。
主な合併症 急性合併症として、高血糖や低血糖に伴う意識障害がある。10年以上の経過とともに、慢性合併症として、網膜症(進行すれば失明の危険)、腎症(進行すれば腎不全)、神経障害(突然死のリスク)がある。劇症例・内因性インスリン枯渇例では合併症の進行を避けられない。
主な治療 ○インスリンが多くの患者の症状を緩和する。
○膵臓移植や膵島移植が行われることがある。
長期にわたる疾患の状況 ○小児に多く発症する。
○死亡のリスクがある。
○症状が不安定で急激な増悪をきたすことが多い。
○極めて経過が長い。
患者団体要望
小児慢性 小児慢性特定疾患治療研究事業対象