1型糖尿病 及び 劇症1型糖尿病
厚生労働省による「1型糖尿病」と「劇症1型糖尿病」の「原因」等についての比較
2007.03 厚生労働省・健康局・第4回特定疾患対策懇談会 資料(2ページ目)
1型糖尿病
(患者数:1万人強)
原因の解明:
◆ いくつかの疾病感受性遺伝子(HLAなど)とウィルスなどの環境因子が関与して発症する。
◆ 抗GAD抗体やインスリン抗体など自己抗体の存在から自己免疫機序が推定されるが、発病の機序は未解明である。
2009.07 厚生労働省・難治性疾患克服研究班難病情報センター) 資料
  多施設共同研究
:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班
(研究班は一つのみ)
劇症1型糖尿病
(患者数:1万6千人)
(推定)
原因の解明:
◆ 詳細は不明であるが、感受性を有する人にウィルス感染を契機として抗ウィルス免疫が惹起され、膵β細胞が破壊され、発症するという可能性が考えられている。
 
2010.09 厚生労働省・難治性疾患克服研究班(難病情報センター) 資料
二つの研究班による「劇症1型糖尿病」の概要説明 
 劇症1型糖尿病
:劇症1型糖尿病のウイルス原因説に関する研究班
 
1. 概要
 劇症1型糖尿病は、インスリンを産生する膵島細胞の急速な破壊により急激に高血糖をきたし、時には致死的であり、たとえ回復してもインスリン産生の枯渇により、血糖コントロール困難となり、社会生活に高度の支障をきたす重大な疾患である。
 また、血糖不安定であるため、合併症もきたし易い。
2. 疫学
 劇症1型糖尿病は急性1型糖尿病の約20%と推定されている。
 なお、急性1型糖尿病の年間発症率の正確な情報は乏しいが、およそ1.5/10万人とされている。
 従って、劇症1型糖尿病は、日本全国では、年間、おおよそ300人前後の発症数、有病者数2万人程度ではないかと推定される。
3. 原因
 ウイルス感染による膵臓炎、あるいはウイルス感染に対する免疫応答、または、その両方がインスリンを産生する膵島β細胞の急激な破壊につながると推測されているが、その詳細は不明である。
   厚生労働省・難治性疾患克服研究班(難病情報センター) 資料
 劇症1型糖尿病
多施設共同研究
:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班
 
1. 概要
 膵臓のβ細胞(インスリン分泌細胞)が急激に破壊された結果、インスリン分泌が枯渇し、その結果、血糖が上昇し、ケトアシドーシスをきたす疾患。
 インスリン治療を行うが血糖変動が大きく、合併症が進展しやすい。
2. 疫学
 日本における劇症1型糖尿病患者数は、5000-7000人であると推測される。
3. 原因
 詳細は不明であるが、感受性を有する人にウイルス感染を契機として抗ウイルス免疫が惹起され、膵β細胞が破壊され、発症する。
   
※注意事項解説※
 上記2007、2009の発表で
・「1型糖尿病」 発症の原因は 二つの形態が 表記されていますが、
・「劇症1型糖尿病」 発症の原因形態は一つ です。
 「1型糖尿病」 も 「劇症1型糖尿病」 も
 発症原因の共通点は 「ウィルス」です。
      (特定のウィルスについては、1型糖尿病の下記項目を参照)

 また、二つの形態がある 「1型糖尿病」患者数合計は「1万人強」ですが、原因形態が一つに減った 「劇症1型糖尿病」の推定患者数は「1万6千人」と 約5割り増し・・・であることに注意!

 特定されたウィルスが発症原因ではなく、MODY、妊娠糖尿病、ミトコンドリア遺伝子異常など発症原因が明確なトリガー原因があり、自己分泌インスリン能が温存・残存、又は3年以上たって欠乏に至るタイプの場合は2型糖尿病の一タイプです。差別を持つことなく適切な闘病理解が必須です。

 
2010に発表されたモノとの比較

厚生労働省・健康局・第4回特定疾患対策懇談会(2007.03)の2頁目では1型糖尿病の発症の「原因の解明」として、以下PDF資料のように説明しています。
患者数は1万人強と説明されています。
PDF(2頁目)資料

2009.07に
劇症1型糖尿病を「難病情報センター」に登録しました。

その後、
2010.09に、同じく「難病情報センター」に、
 劇症1型糖尿病のウィルス原因説に関する研究班も登録し公開されました。
年間発症数が300人、患者数は2万人とされています。

同時に、
 多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班が
2009.07に公開した患者数1万6千名だったものから、2010.09の患者数を5~7千人と、患者数を大幅に減らして公開しています。

 発症時から、相対的な疾病や生活習慣に関わる問題が無く、生命を護るための理解とコントロールしかありません。
 抗体を介する場合は、その抗体に対する理解を持って、抗体値が陰性にする為の「食」の見直しが必須となります。
 闘病は、個々人の生体に合わせたインスリンによる「生命維持」であり、適切な栄養理解と体力維持が必須。
 合併症云々以前に「生命維持」ですので、甘えや妥協もありません。

発症原因とされる特定のウィルス(参考)とは
 ・コクサッキーB・ウィルス
 ・サイトメガロ・ウィルス
 ・EB・ウィルス
 ・ムンプス(おたふく風邪) ・ウィルス
 ・風疹・ウィルス
 ・ロタ・ウィルス
 ・ピコルナ・ウィルス
 ・エコー・ウィルス
 ・Ljungan(ユンガン)・ウィルス
等が報告されています。

 この特定のウィルスの中にある エプスタイン・バール・ウイルス(Epstein-Barr virus、 EBウイルス)は、ヘルペスウイルス科に属するウイルスの一種で、ガンマヘルペスウイルス亜科に分類され、2本鎖DNAを持つ(ウイルス粒子内では直鎖状)ウィルスです。

他のヘルペスウイルスと違い、このEBウイルスはBリンパ球(膵β細胞・膵B細胞)に感染して『不死化』し『最後の”一撃”』まで膵β細胞を破壊するという特徴をもっています。
(トランスフォーメーション)

又、慢性活動性EBウイルス感染症(Chronic Active Epstein-Barr Virus infection : CAEBV)は、非常に稀なケースとして、EBウイルスの初感染時、あるいは既感染のヒトにおいても免疫制御されていたウイルスが何らかのきっかけから体内で再活性化をきたすことで、持続的にリンパ球内に感染を生じ、体内での免疫制御が不能となってしまうことが知られ、そのため慢性的にウイルスが増殖活動し、重症化するということが起こる。
これが慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)である。
このEBウイルス(CAEBV)の標的リンパ球はTリンパ球やNKリンパ球であるとされており、この点がBリンパ球を標的としたEBウイルス感染である伝染性単核球症と異なる。



















当サイトはフレーム形式です。ここのフレームを立ててご覧下さい。