2002. 3. 3  余市岳 #1 BC#12 

天  候  晴れのち雪
気  温  最高気温マイナス10度
同行者   Yossy さな

美しいピラミダルな山容の・・・余市岳西側斜面  BY SANA

今シーズン最大のピンチ?!


先週はまったく雪が降らなかった。
そして春が来たかのような陽気に・・・ほのぼのしている自分がそこにいた。

そして週末。降雪だ。
ニセコにむけて出発した車の中でYossyがつぶやいた。
「これが、3月なんだよな・・・。やっと3月らしくなったね!」
そう、本来の北海道の3月はこうでなけりゃいかん。
ニセコの天候は・・・天気予報では雪。
回復傾向にあったとしても、アンヌプリ裏は難しいだろう。
ニセコの友達「りゅうちゃん」にも電話していたので、
一緒にヒラフゲレンデ裏をセッションしようかなんて思っていたのだ。

AM7:10
毛無峠にさしかかると、突然景色が変る。
晴天、風無し。
毛無山の斜面が輝いて目に痛い!
長嶺裏のメロウなOP斜面が手招きしているようだ!
木に、斜面にこんもりと溜まっている雪と青空に・・・完全にノックアウト!
「The Day!だよーっ!!!!」
「余市岳しかねえよ!」
「だよーっ!」
とりあえず、今日会いそうな仲間に連絡をとる。
みんなニセコは今、大雪だって!
「じゃ、やっぱ余市岳だろー!!!」って。

さなちゃんがこっちに向かってるとの連絡。
キロロへの道を走っていると・・・
偉大なるはげ山「余市岳」が輝いている。
「イエーイ!!!」
南斜面を思いっきりでかい「S」で滑る! そんな期待でワクワクドキドキ。
Yossyの今回初導入のビデオカメラには・・・
そんな有頂天の俺たちが写っている!
Yossyはそんな俺たちの滑りを写すべく・・・今回持って来たのであった。

8:45
さなちゃん合流後、ゴンドラに乗る。
あら? ちょっとガスって来ましたか?
大丈夫! 天候は回復傾向にあるはずさあ。

9:00
キロロゴンドラ頂上駅出発
やばい、余市岳はガスっぽい。薄い雲が俺たちを阻んでいる。でも風は微風。
とりあえず行きましょうかあ!
飛行場へハイク開始。
スプリットはすげーよ。さなちゃんはぐいぐい進んでいく。
Yossyと自分はシューだったのでラッセル&ラッセル
体重プラス装備の重みで・・・悲しいかな・・・ガンガン沈んでいく。
さなちゃんに置いていかれる形で飛行場をハイクする。

コルに到着。セッピはやばいほどに発達中。
しかも風が異常に強い。防寒対策を施す。
尾根筋はクラスト。しかもかなりの。
ここを登るにはスプリットでは厳しい感じ。
さなちゃんはアイゼンに履き替え行動する。
天候は・・・雲の中ガスだ!
雪が混じってきたら撤退しなくてはならないな。

ピラミダルな余市岳の北西斜面をハイクアップ。
セッピ近くは割れている!
慎重にルートを直登する。
ピーク近くのドロップポイントに到着。
南斜面は広くてでかい! 期待は高まる。
視界はすこぶる悪い。
ハンドテストをすると・・・俺2.5、Yossy2という結果。
50センチに霜ざらめの弱層と、70に同じく肘程度の弱層が!
転ぶ、トラバースは厳禁だ!

Yossyが先頭でドロップインしようとしたが・・・
なんとドロップポイントは・・・発達したセッピだった!
「なんで?」
しょうがない・・・それくらいに発達していたのだ。
あと、自分達の地形を見る目を阻むくらいに、風雪は強まっていた。

ドロップポイントを探して50メートルほど下る。
その頃天候は最悪な感じになってくる。
ノール部分がありそうなポイントを、悪天候の中探す。
セッピの切れ目を発見するも、そこからフォールラインには、
悪過ぎる視界の中に・・・うっすらと雪崩の跡が見える。
パズルのピースがスッポリ無い感じ(笑)
こんな不自然で凶悪な風景は・・・嫌すぎる!(笑・・・えない!)

しょうがない。登りのルートを滑り降りる。
ところどころクラスト。
横にツリーのラインを発見。
迷わず滑り込むも・・・今一楽しめず。
ところどころクラストの上、ウインドリップが激しいのだ。
落ち込みを我慢して飛びつつ・・・コルまで降りる。

コルから山道付近までハイクアップ。
天候は一旦緩む。
雲も切れて視界が開ける。
2人組みのスノーシューパーティに会う。
「国際から来たんだけど・・・これが余市岳?」
と、自分達に聞いてくる。
あら・・・やばい登山者だなあと・・・心から思った。

これじゃあもったいないという気持ちから
コル付近から南斜面ボトムにドロップ。
むむ? 雪はいいけどなんかすぐ終わりだあ。
上り返そうとしたら、「アイスバーンオン新雪」の斜面が、
ズルズル滑って進ませてくれない。
斜度は確かにあるけど・・・MSRでさえ滑り落ちるのだ。
こんなのありか? 歯をガンガン食い込ませて上り返す。
スプリットのさなちゃんは・・・かなりてこずる・・・
しかし、板を背負ってアイゼンに履き替え・・・
しかもなんとラッセルで直登してくる!
熱い!熱いよ!スゲーよ!
でも、こんなコンデションの斜面が部分的でも滑走ラインに広がっているのなら
マジでやばい日であったことは間違いない。
さらに、気がつくと自分達が滑ったラインが消えるほどに・・・
吹雪いてきていた。

なんとかコルに上がるも・・・ホワイトアウト。
いやいやいや・・・ここは「飛行場」だ!
やばい。キロロ側にドロップして沢を下れば、
なんとかコースに出れるのはわかっている。
自分の知っているラインに出ても・・・ホワイトアウトしていたら
マジでアウトでしかない!

Yossyも下山コースを見つけられないでいる。
ここは見えない飛行場をGPSのトラックログを頼りに戻るしかない。
でも、GPS・・・ほんとに頼りになるのだよ。
ずっとGPSを見ながら帰ってきたようなものだ。
次回からは腕時計のようにe-trexを装着することに決めました。
それにしても「飛行場」あそこはマジで遭難できるポイントだ。

PM2:30 下山
なんとかゴンドラ駅にたどり着く。
アサリビューっていうコーナーで一休み。
暖まったなー。

それにしても、ピンチでメンバー全員実に冷静。
これは大切だなあ。
いい仲間と山に登っていると実感する。

この経験は、次に必ず生きるはずと思う。
しかし、朝は「The Day!」などとかなり浮かれていたので・・・
滑走できなかったことに対する不満が大きく・・・へこむ。(笑)

まあ、次があるさあ!