雪とは何か?
いきなり雪とは何か?と言われても、それに対し明確に答えることができる人は少ないはずだ。一口に雪といっても、その気象条件によって多くの種類に分かれている。また、その状態は様々な条件によって定義されている。しかし、専門的にそれについて述べると非常に長くなってしまうので、基本的に正しく認識しておかなくてはならないことについてまとめていきたいと思う。
「降雪」と「積雪」
「降雪」とは空中から降ってくる雪であり、「積雪」とは地面に積もった雪である。
1、「降雪」の分類
雪の結晶は雲の中でちりや微細なゴミなどを核として生まれ、それが落下しながら成長して地上に積もる。結晶は雲の中を落下する途中で液体状の雲粒の近くを次々と通過する。すると雲粒が水蒸気となり、それを取り込むようにして結晶は成長していく。順調に成長した結晶はよく写真で見かけるようなきれいな6角形や樹枝上の結晶となり地表に到達するが、そんな例はまれで、風でこわれたり結晶同士が衝突したりして完全な形を留めない物が多い。また、落下する過程で雲粒に衝突することにより、結晶に氷の球が付着した状態になる。この様なものを「雲粒付き降雪結晶」と呼ぶ。反対に、先に述べたきれいな結晶として地表に到達したものを「雲粒なし降雪結晶」と呼ぶ。これは「幅広六花」とも呼ばれ、この結晶が積もったあとに降雪があると弱層となりやすい。しかし、雲粒との衝突を避けることはなかなか難しいことで、風の無いおだやかな気象条件が必要である。
さらに、雲粒と衝突をくりかえすことで、結晶の形をとどめないほどに氷の球が付着した物が「あられ」である。このあられが積もった層も弱層となりやすい。
2、「積雪」の分類
積もった直後の雪を「新雪」と呼ぶ。しかし、時間が経つにしたがって、マイナスの気温であっても雪は次第にその形を変えていくことになる。その変化のことを「雪の変態」と呼び、その変態によって雪は絶えず性質を変えているのである。「雪の変態」は主に温度が大きく関係しており、水、積雪が進むことによる雪にかかる重さなどの要因によって自然に進んでいく。
「新雪」は結晶の形がはっきり残っているが、しだいに丸くなり結晶(雪粒)同士の接点が大きくなって硬く結びつき(焼結作用)、しだいに締まって硬い丈夫な「しまり雪」(0.5?1ミリ)と変化する。その中間でまだそれほど焼結作用が進んでいないのが「こしまり雪」(0.5ミリ以下)である。
「しまり雪」は暖かくなり水を含むことで粗大化し、「ぬれざらめ雪」に変化する。また、それが0℃以下で再度凍結することで硬い「乾きざらめ雪」になる。この2つを「ざらめ雪」(1ミリ以上)と呼ぶが、「ぬれざらめ雪」の場合は、雪粒同士の間に水が入り込んでいるので結合が弱く、弱層となることがある。
「新雪」「しまり雪」「ざらめ雪」は大きな温度変化がある場合には「しもざらめ雪」に変化することがある。日中非常に暖かく、放射冷却などで夜に温度が急激に下がると、積雪層にこもった熱により発生した水蒸気が、積雪表面近くで急激に冷やされ凝結して雪粒が霜に変化するのである。これがくりかえされることで非常に大きく(3ミリ前後)成長したものが「しもざらめ雪」である。このような「しもざらめ雪」は骸晶(コップ)状で面を持つためキラキラと輝いている。非常に結合力の弱い雪なので弱層になりやすい。また、その成長の程度が小さい物を「こしもざらめ雪」と呼ぶ。
また、積雪表面に空気中の水蒸気が凝結して、キラキラした霜が降りていることがある。これは新雪と勘違いされることもあるが「表面霜」と呼ばれ、羊歯状の角張った結晶が発達したものである。霜の結晶同士は結合力が非常に弱いので、大きく発達した霜の層の上に降雪があった場合弱層となりうる。
雪が大量の水を含んだあとに気温が下がると「氷板」に変化する。「氷板」自体は弱層にはならないが上下の層に注意したい。
日光の影響や風の影響で、積雪表面に薄く固い層ができることがあるがこれを「クラスト」と呼ぶ。これも上下の層に注意することが大切である。
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